アウトドア好きならロングセラーシングルガスバーナー、SOTO「ST-310」を知らない人はいないですよね。
レギュレーター機構搭載で寒さに強いST-310ですが、安定した調理をするなら風防は必須です。
しかし、実際に使ってみるまでその性能や使い心地が分からないという人も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、SOTOの「ST-310」の風防を使っている筆者が使い心地を徹底解剖します!
よく見かけるあの風防が人気の理由から風を防ぐだけじゃない驚きの使い方まで知っておきたい情報をたっぷりお届けしますよ。
SOTO「ST-310」の風防ってどうなの?使ってみた感想!
はじめに、SOTO純正の風防について少しだけ紹介します。
SOTOからも純正で「ST-310専用ウィンドスクリーン」が発売されています。
周りを見渡してみるとST-310は使用していてもウィンドスクリーンも併せてSOTOを使用されている方は少ないですよね。
キャンプ用品に限らず
「初めに買ったブランドの物で揃えたい!」
という欲求はありますが、ことST-310の風防に関しては別のもので代用されてるケースが圧倒的に多いです。
私も始めは「純正で揃えたいから、、、」と純正ウィンドスクリーンを購入したのですが、気になる点がありすぐに手放してしまいました。
主な理由としては
・見た目が気に入らなかった
・防風性能に不安があった
という2点です。
2方向からの風は遮れるものの風防と炎の間に空間が出来て風の巻き込みが多かったです。
ST-310の脚に固定できるという点は使い勝手が非常に良かったのですが、見た目が好みではなかったことも大きいですね。
ここからは純正ウィンドスクリーンでの失敗を踏まえて、キャンプ場やSNSでよく見かけるST-310の風防を実際に使って感じたことを紹介していきますよ。
風防としての性能はもちろんのこと、見た目や使い勝手についても詳しく紹介していきます。
コスパ最高な100均セリアやダイソーのクッキー抜型「リングタイプ風防」
リングタイプ風防の強みは「手軽さ」と「スッキリとしたデザイン性」でしょう。
ダイソーやセリアなどの100均で購入できる『クッキーの型抜き』をST-310の風防として利用されてる方ってかなり多いですよね。
型抜きに限らず直径6mmほどのリングは「リングタイプ風防」として代用できちゃうんです。
100均で購入できるものはもちろん。
専用の風防として作られたものでも\1,000~2,000円程度とかなりリーズナブル。
簡単な条件を満たしているものなら”装着したまま持ち運べる”のもかなり嬉しいポイントです。
ST-310に装着する手間が省けてすぐに機能するのがとにかく手軽で便利です。
私は100均セリアの『ファンシー抜型3P丸(大)』セットの真ん中のサイズを風防代わりに使いました。
何の変哲もない金属の輪っかなリングタイプ風防ですが、バーナーヘッド部をすっぽりと覆ってくれるので全方向からの風に強いです。
ただし脚(ゴトク部分)の方が少し高い位置に来るために強い風では炎が流れてしまいます。
過度な期待は禁物ですよ。
また、当然ですが使用後はかなり熱くなるので絶対に触らないでくださいね。
100均でリングタイプ風防として使えるものは、
ダイソー『可愛い抜型-5個組-』の円形の型抜き
でもOKです。
作りとしてはセリアのものとほぼ同じで無加工でST-310に取り付けることができます。
※4個組のものだと装着できません。
100均の商品は入れ替えなどで狙っていた商品がなくなったりするので、対応可能なサイズも紹介しておきますね。
「直径55~60mm、高さ22mmまでのリング」
バーナーヘッドが45mmなので46mm以上の円形であれば装着は可能です。
ただし、ぴったりすぎて不完全燃焼やリングが温められ過ぎて危険なので余裕を持ったサイズのリングを装着した方が良いですよ。
注意点ですが、そもそもバーナーの炎を守るようには設計されていないので使用は自己責任になります。
あくまで「お菓子の型抜きがST-310にフィットしますよ。」というだけです。
リングタイプの専用風防はAmazonなどでも手軽に購入できるので、
「100均のものは使いたくない!」
「代用品じゃなくて専用品が使いたい!」
という方には価格は抑えつつ入手しやすいですよ。
中には「国産のチタン製リングタイプ風防」なんてのもあります。
高品質なステンレス製品やチタン製品を国内製造・販売している「N-project」はST-310専用品も数多く展開しています。
風防だけでなくバーナーの五徳や遮熱テーブルもあって”痒いところに手が届く便利なアイテム”がたくさんあるので是非チェックしてみてくださいね。
一般的な火元を覆うタイプ「ウィンドスクリーン」
よくある折りたたんで持ち運ぶ「ウィンドスクリーン」はST-310の風防としてかなり優秀です。
グルッと覆えるので3方向からの風に対して極めて強いですよ。
なんだかんだ”炎を風から守る”ということに関しては広範囲にぐるっと囲ってしまうのが一番ですからね。
薄く折りたためるものが多いのでバックに忍ばせておくと安心です。
ST-310の風防として使うにあたって気になる点としては
「ウィンドスクリーン展開時にST-310の点火や火力調整がしにくい」
ということですね。
3方向からの風を遮るにはガス缶側を開放するといい塩梅なのですが、点火スイッチや調整レバーも一緒に隠れてしまうため操作しにくいです。
近未来的なデザインがカッコいいST-310ですが、ウィンドスクリーンで覆うと隠れてしまうのも見た目を重視する方にはマイナスポイントですね。
他にも、軽量なアルミ製などの材質によっては風に煽られたときに飛ばされます。
風から守る風防なのに風に飛ばされるという矛盾が生じるんですよね。
重厚なステンレス製ならよっぽどの強風でない限りは平気ですが、その分重量が激増するので良し悪しです。
ウィンドスクリーンこそ最強の風防と言って差し支えないでしょう。
風から炎を守る性能としては申し分なしです。
「風が強くてどうしようもない!!」
なんてときでも抜群の防風性能を持っているので必ず持ち歩きたいアイテムですね。
ペグなどで固定したりすれば最も頼りになります。
小型の焚き火台であれば焚き火の風防としても機能しますし、ST-310の風防以外にも使えるのでとにかく便利ですよ。
ガレージブランドの本気!SomAbito「SOMAnoGOTOKU」
革新的なデザインで男心をくすぐる製品展開をする奥京都のガレージブランド「SomAbito」さんから出ているゴトク兼風防。
『SOMAnoGOTOKU』
ガレージブランドゆえに敷居の高さはありますが、お洒落なキャンパーさんで使われている方も見受けられますよね。
蜘蛛の巣のようなワイヤー状のゴトクに周りを覆う台形の形状が独特で、剛性感も凄まじくちょっとやっそとの風ではびくともしません。
重さは実測値328g!重い!!
折り畳みもできないし分解も出来ないから小さくならない。
かさばる上に重い。
だがそこが良い!!
側面部にロゴの透かしがあるので、風の向きを考えて設置すれば強い風でも平気です。
風防としての性能は申し分ありません。
ただし、ゴトクとしては注意点があります。
・脚ではなくバーナーヘッド周りのサークルに載ってる
・べらぼうに熱くなる
SOMAnoGOTOKUの切れ込みをST-310の脚に合わせて載せるために負荷はサークルにかかります。
十分すぎるほどの耐荷重があるように感じますが、本来のゴトクとして機能する脚には負荷がかからないので自己責任と言えば自己責任ですね。
使用すると熱くなるのは当然ですが、火を止めても中々冷えません。
お湯を沸かして火を止めても、蜘蛛の巣状のゴトクに接している部分は30秒ほど沸騰が続きます。
それぐらいに蓄熱性が高いので、誤って触れば火傷は免れませんよ。
そもそもガス缶がむき出しのガスバーナーに大きなスキレットやクッカーで調理するのはご法度です。
ブランドさんも長時間の煮込みなどは熱を確認しながらお使いください。と注意しているぐらいですよ。
風防としてはピカ一の性能を誇っていますが使用時は重々注意してくださいね。
ガレージブランドの製品だけあって入手できる機会が少ないのもデメリットと言えますね。
素晴らしい精度で加工されているのは間違いありませんが、生産数自体が少ないので手に入れられるかどうかは運です。
コンパクトに持ち運ぶことはできないし重さもある。
それでも所有欲を満たしてくれる魅力あふれる風防が『SOMAnoGOTOKU』です。
似ている製品もAmazonで見かけますのでブランドやデザインにこだわりがなければ半額以下で購入できるのでアリですよ。
ST-310の風防でアウトドアがもっと快適に!風を防ぐ以外の驚きな「使い方」とは?
風防は風を防ぐ以外にも様々な使い方をすることができます。
せっかくキャンプに持って行ったのに出番のない道具があったら、なんだか損した気分になりますよね。
風が強いかもしれないからキャンプに風防を持って行ったけども、
「風がなくて風防の出番はなかった。。。」
なんてのは結構ありがちです。
そんな時でもここで紹介する使い方ならばっちりと活躍してくれますよ。
ちなみに、ここで紹介する用途にはSOTO純正「ST-310専用ウィンドスクリーン」ではできませんのでご注意を。
風防とクッカーと網で「蒸し器」
クッキー型抜きなどの「リングタイプ風防」を蓋ありのクッカーに入れ、網を載せて水を入れれば蒸し器の完成です。
キャンプで肉まんやシュウマイをふっくらと蒸された熱々状態で楽しむことができますよ。
ただし、100均のクッキー型抜きは必ず水の通り道ができるように一部に切れ込みを入れてくださいね。
水の通り道がないと一部分だけ空焚きになる危険性があります。
ロゴなどが抜かれている風防ならそのまま使えますが、できれば底部に切れ込みのあるものの方が安心ですね。
ダッチオーブン用の脚付きロストル(底網)で蒸し料理が出来るのは有名ですが、直径16cmを超えるものがほとんどです。
一般的なクッカーに合わせるのが難しいですし、ましてやソロ用のクッカーでは絶対に合いません。
そんな時にリングタイプ風防で小さいクッカーも蒸し器に大変身!
載せる網は100均の焼き網を切って使っても良いですしザルでもOK。
水を入れるスペースは風防が作ってくれるのでクッカーに収まれば大丈夫です。
高さ1.8cmほどの切れ込みを入れたクッキー型抜きを内寸約12cmのsnow peak「アルミパーソナルクッカーのSサイズ」に入れると、だいたい200mlほどの水まで入れられます。
クッカーに入るギリギリサイズの肉まんも十分蒸せますね。
蒸し料理をする以外にもアルミパーソナルクッカーで水蒸気炊飯をする場合にも使うことができます。
ST-310の風防が調理にも活用できるのでキャンプの幅がグッと広がりますよ。
あると便利な「テーブル」として風防を活用
よくある「ウィンドスクリーン」を地面に広げればテーブルに早変わり!
地面に直接置きたくないクッカーやカトラリーを置くスペースがすぐに確保できます。
テーブルをもう一つ持って行くよりも軽いですし、スペースも広いです。
荷物を極力減らしたいバックパックキャンプスタイルや地べたスタイルのサブテーブルとしてピッタリですね。
SomAbito『SOMAnoGOTOKU』などの折り畳み不可能な風防もテーブルとして使えますよ。
地べたスタイルでSOMAnoGOTOKUに飲み物置きとして使うと
「ただものじゃない!!」
雰囲気がビリビリ出ます。
「リングタイプ風防」もマグカップやシェラカップぐらいは安定して置けます。
荷物を極限まで減らしたいけども飲み物を地面に置きたくないって時に便利ですね。
風防を地面に置く使い方は
「普段はテーブルとして、炎を扱う時は風防として」
スムーズにサッと切り替えて使えるのでかなり便利な使い方ですよ。
雨後などの濡れた地面で濡らしたくないモノを一時的に置くスペースとしても重宝します。
実際に使ってみてSOTO「ST-310」コスパ最高の風防は?
ST-310にもっともコスパに優れる風防は?
と聞かれたならば、
「SomAbitoさんの『SOMAnoGOTOKU』!!」
と答えます。
風防としての性能はもちろんのこと。
ガンガン使っても平気な耐久性。
風防以外にもテーブルとして活用できること。
なによりも人気ブランドの製品が醸し出す”雰囲気”は唯一無二です。
手軽さで言えば「リングタイプ風防」が一番で、防風性能だけで考えるならばST-310ごとすっぽりと覆える「ウィンドスクリーン」に軍配が上がります。
それでも私が使っていて一番楽しいのは『SOMAnoGOTOKU』なんですよね。
重いしかさばりますが風のない時はテーブルとしても活用するので個人的にもっともコスパの良いST-310の風防です。
「使っている人をよく見る」
というものは定番品ですが、定番には定番になるだけの良さがあります。
リングタイプ風防からウィンドスクリーンまで様々なものを使いましたが、いずれも決して悪いものではありませんよ。
100均で購入できるものをアレンジして使うのも面白いですし、定番と言われるものを素直に使うのも楽しいものですよね。
キャンプのガスストーブの定番品SOTO「ST-310」の、あなたの風防選びの参考になれば幸いです。
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