ペーパーフィルターを用いた「ペーパードリップ」でコーヒーを抽出して提供してくれるコーヒー専門店において、
比較的新しいコーヒー専門店で使用されることの多いスタイリッシュな「カリタウェーブ」
ネルドリップの奥深い味わいをペーパードリップの手軽さで再現し、昔ながらのコアなコーヒーファンを魅了する「KONO名門フィルター」
どちらのコーヒードリッパーも、
「これからコーヒーを始めよう」
と考えている方であれば一度は目にするコーヒードリッパーだと思います。
「D’s CAFE Style」のonoDです。
私自身どちらのコーヒードリッパーも所有していて、ヘビーローテーションしています。
どちらのコーヒードリッパーで淹れても美味しいコーヒーが楽しめるのは間違いないですが、
「2つ同時に同じ珈琲豆で淹れて飲み比べる」
ということはしたことがなかったので、
2つのコーヒードリッパーを並べて同時に同じ珈琲豆を抽出し、コーヒーの味を比較してみました。
それぞれのコーヒードリッパーで家庭用のコーヒー抽出レシピを使用
コーヒーのレシピはそれぞれ様々な意見があるでしょうが、今回はonoDが普段使用しているレシピでコーヒーをそれぞれ抽出していきます。
使用する珈琲豆は、『堀口珈琲』さんで「旬の深煎り」として紹介されていた
コロンビア「ラ・パルミラ農園」フレンチローストです。
まずはカリタウェーブ専用で使用しているレシピ
「Bright」
挽き目 :中挽き
珈琲豆 :12g
お湯温度:86度
抽出時間:2分10秒(蒸らし時間30秒含む)
抽出量 :約180cc
※基本レシピですので随時調整しています
カリタウェーブでコーヒーを抽出するときは、上記のレシピを使用しています。
一方でKONO名門フィルターを用いたレシピは3種類保有していますが、今回使用するのは深煎り珈琲豆と相性のいいレシピ
「Deep」
挽き目 :中挽き
珈琲豆 :14g
お湯温度:86度
抽出時間:3分(蒸らし時間30秒含む)
抽出量 :約180cc
※基本レシピですので随時調整しています
KONO名門フィルターと言えばポタポタと1滴ずつお湯を注いで珈琲豆とお湯を馴染ませる点滴ドリップ「コーノ式」ですが、今回は初めの1投目で20gほどのお湯を注いで30秒ほど蒸らす”家庭でも淹れやすい抽出方法”であるレシピで家庭的なコーヒーの淹れ方をして比較していきます。
「14.1g」と0.1gだけ多い計量ですが、誤差として扱います。
それぞれ計量した珈琲豆を同じ挽き目でそれぞれ挽いておき、余計な紙の匂いがコーヒーの味に混じらないようにリンス(湯通し)しておきます。
1つのコーヒーポットで交互にお湯をお注いでいき、同時に2杯分のコーヒーをドリップして比較していきましょう。
コーヒードリッパーを並べて同時に抽出
どちらの抽出レシピも同じお湯温度で注湯していくため、お互い交互にお湯を注いでコーヒーを抽出していきます。
タイマーやスケールは使用せずに「時間」と「重さ」は計測せずに、どちらもだいたい同じ量のコーヒー(約180cc)を抽出していきます。
さっそく蒸らしの1投目です。
珈琲豆表面にお湯を注いでそれぞれ30秒ほど蒸らしています。
ここから交互にお湯を注いでいきコーヒーを抽出していきます。
交互にお湯を注いでいき同程度のコーヒーが抽出していきます。
それぞれちょうど良いところでコーヒードリッパーを外してコーヒーの抽出完了です。
ペーパーフィルターの形状が違うので何とも言えませんが、どちらも細かい泡が中心部に大量に発生していますね。
また、コーヒーサーバーのサイズがそれぞれ異なっているのでぱっと見わかりませんが、
コーヒーカップにそれぞれ注いでみるとほぼほぼ同じ量のコーヒーが抽出できていますね。
抽出過程は交互にお湯を注いでいっているので”ほぼ同じお湯の注ぎ方”ですが、抽出スピードはカリタウェーブの方が早いですね。
それぞれ飲んでみると味の変化は出ているがペーパーフィルターの違いによるところが大きい
抽出の完了したコーヒーを少しずつ飲んで味の違いなどについて比較していきましょう。
まずは「カリタウェーブ」で淹れたコーヒー。
・・・とっても飲みやすい美味しいコーヒーです。
続いて「KONO名門フィルター」で淹れたコーヒーを飲んでみます。
・・・こちらもとっても飲みやすい美味しいコーヒーです。
どちらもとっても飲みやすい美味しいコーヒーに仕上がっています。
ですが、コーヒーの味を比較してみると
”確かに味に違いはあります”
お湯の注ぎ方はほぼ同じですが使用している珈琲豆の量も違いますので正確な比較ではありません。
それでも、味に大きな差が出ています。
その原因は「ペーパーフィルター」によるところが大きいでしょう。
お湯を含んだペーパーフィルターがべったりとコーヒードリッパーに張り付く「KONO名門フィルター」は2g多い珈琲豆を使用していることも相まって、両方を飲み比べてみるとやや濃いめのコーヒーが抽出されています。
一方で波打った特徴的なウェーブフィルターを使用する「カリタウェーブ」は底にお湯が溜まったとしても側面部からもコーヒーが抽出されていき、3つの穴から等速で流れ落ちるためややマイルドな仕上がりになっています。
しかしそれらの味の違いは微々たるもので、より明確に味の違いを出しているのは「ペーパーフィルターの味」です。
あらかじめリンス(湯通し)を施しているとはいえ、両方を並べて飲み比べてみるとその違いは顕著に出ています。
口に含んだ瞬間に紙の匂いが強く出ているのは「カリタウェーブ」で、後味としてじんわりと口の中に残るのは「KONO名門フィルター」でした。
それぞれ各社純正のペーパーフィルターを使用していますが、このあたりは完全に好みによるところが強いです。
さらに言ってしまえば、
「飲み比べない限りはわかりません。」
片方だけを飲んだのであればどちらも
「飲みやすい美味しいコーヒー」
と評価できることでしょう。
カリタウェーブもKONO名門フィルターも素晴らしいコーヒーが淹れられるコーヒードリッパー
「カリタウェーブ」と「KONO名門フィルター」
どちらも同時に同じ珈琲豆でコーヒーを淹れてみて感じたのは
「どちらも素晴らしいコーヒードリッパー」
ということを再認識させてくれました。
構造による抽出速度の違いはあれども、どちらが優れているというわけではなくどちらもオンリーワンなコーヒードリッパーです。
「どちらのコーヒードリッパーを購入しようか迷っている。。。」
という方には、
「どちらを選んでも素晴らしいコーヒーが楽しめます。」
と答えます。
強いていうならば「使い勝手」という観点で
・手軽さと安定性のカリタウェーブ
・自由自在な懐の深さのKONO名門フィルター
と分けられるような気がします。
3つ穴から等速でコーヒーが抽出される「カリタウェーブ」は、お湯を雑に注いだとしてもコーヒードリッパーがコントロールしてくれます。
一方で、円錐型ドリッパーである「KONO名門フィルター」はお湯を雑に注いでしまうと極端に抽出速度が速まる恐れがあります。
これは言い換えると、
「カリタウェーブ」はどんな淹れ方をしたとしても平均化される。
と言えますし、
「KONO名門フィルター」はお湯の注ぎ方次第で自由自在にコーヒーを調整できる。
ということでもあります。
「難しいことは気にせずとにかくコーヒーを楽しみたい!」
という方であれば「カリタウェーブ」の方が合っているかもしれませんね。
また一方で、
「点滴ドリップで濃厚かつ雑味のないコーヒーを楽しみたい!」
という方であれば「KONO名門フィルター」を選んだ方が絶対に良いですね。
両方のコーヒードリッパーを並べて同時に抽出し、飲み比べて初めて明確な違いはわかりますが今回はあくまで
「家庭的なコーヒーの抽出方法」
での比較です。
点滴ドリップなどの技術を要するような”プロ向けの淹れ方”となると話は変わってきます。
どちらのコーヒードリッパーもコーヒー専門店で使われるような「プロ御用達」のコーヒードリッパーですが、プロが使っているからとい言って「家庭用としてぜんぜん向かない」ということではありません。
家庭で美味しいコーヒーを楽しむという観点であれば、どちらのコーヒードリッパーを選んでも満足できるでしょう。
それでは本日も素敵なコーヒータイムを。
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