美味しいコーヒーを楽しむ上で「コーヒーポット」はとっても重要な珈琲器具ですよね。
珈琲豆にお湯を優しく注ぐことでコーヒー豆とお湯が馴染み、珈琲豆から美味しい珈琲成分が抽出される準備が整います。
このときにお湯を勢いよく注いで珈琲豆に刺激を与えすぎてしまうことで、苦みや雑味が強く出てしまい美味しいコーヒーの味を損ねてしまいます。
コーヒーポットにも
ホーロー製や金属製の「材質」であったり、
丸みをおびた先端だったりペリカン口などの「注ぎ口の形状」であったり、
注ぎ口の根元が細いか太いかなどの「根元の形状」などといった違いで、
様々なコーヒーポットがあります。
その中から自分の手に合った、コーヒーの楽しみ方にマッチしたコーヒーポットを選ぶことは日常のコーヒーはより一層楽しくさせてくれます。
「D’s CAFE Style」のonoDです。
数あるコーヒーポットの中でも喫茶店などで昔から使われ続けていて今なお根強い人気を誇る
まさに「コーヒーポットの名品」との呼び声の高い
「YUKIWA(ユキワ)コーヒーポット M-5」
そんなユキワのコーヒーポットを、ポタポタと一滴ずつのお湯を注ぐことに特化した”特別な加工”を施した逸品を手に入れたので紹介していきます。
プロも憧れる名品コーヒーポットに先端加工を施した「コーノ特別仕様」
今回購入した「YUKIWA(ユキワ)コーヒーポット M-5」は、
”コーヒーポットのスタンダード”
とも呼べる完成されたデザインで、美しく輝きを放つステンレス製のコーヒーポットです。
モデル名の「M-5」の中の「5」という数字には”5人用”という意味が込められています。
外箱の正面にはコーヒーポットの写真と「18-8 Ni-Cr. STAINLESS」と記載されていています。
ちょっとややこしいですが、
「Cr(クロム)18%:Ni(ニッケル)8%のステンレスです。」
という意味で「良質なステンレス」であることを意味しています。
ご存知のとおり、ステンレスの良いところは
「磨かれると美しい」ということの他にも
「錆に強い」というものがありますよね。
クロムやニッケルの含有率が増えるとより美しく、より錆に強くなるというものですが、クロムとニッケルの含有率が高くなればなるほど成型が難しくなってしまうものです。
専門的なことはわかりませんが、18-8のステンレスの場合は「良質なステンレスを使っている。」ということだそうですよ。
箱の側面には「容量750cc」とわかるように表記がありますね。
5人用のコーヒーポットですが、
「一人当たり150ccのお湯を注げるから5人用」
ということでしょうかね?
他にも「広口」というシールが貼られています。
これは通常仕様ではなく注ぎ口の先端を「広口」に加工している”特別仕様”であることを示唆しています。
コーノ特別仕様のコーヒーポット自体取り扱っているところは少なく品薄なので、見つけたならば「お宝」だと思って差し支えないでしょう。
「コーノ特別仕様」はその名のとおり、円錐型ドリッパーを用いてネルドリップのようなコク深くもクリアなコーヒーを淹れられる「コーノ式」で必要不可欠な点滴注湯(点滴ドリップ)をするために特化した加工を施しているというものです。
「コーノ特別仕様」にも2種類あり、
・広口(1滴ずつお湯を点滴しやすい)
・細口(細くお湯を注ぎ続けやすい)
があります。
細口のユキワコーヒーポットも欲しいところですが、onoDは他にもカリタさんの「コーヒー達人・ペリカン 1ℓ」を所有していています。
先端が細くなったペリカン口のホーロー製コーヒーポットなので、今回は似ている「細口」ではなく「広口」を購入した次第です。
他にも、関しては通常の「YUKIWA(ユキワ)コーヒーポット M-5」を購入して万力やバイスなどを用いて”頑張れば細口に自分でも加工できそう”と密かに思ったのも理由の一つです。
さて、だいぶ話が逸れましたので開封していきましょう。
箱の中に上の写真のような状態で入っていました。
ビニール袋に包まれた「YUKIWA(ユキワ)コーヒーポット M-5(コーノ特別仕様広口)」の他には何も入っていませんね。
とても美しく輝いていることはビニール袋の上からでもわかります。
ビニール袋から取り出してみると、、、
光り輝くコーヒーポットが姿を現しました。
佇まいが美しすぎますね。。。
「個体差あり」細部を見ていくとところどころに見える手作業の加工感
細部を見ていきましょう。
<持ち手>
持ち手もステンレスで極めて美しいです。
小さな穴が持ち手の接合部に上下にそれぞれ2つずつ開いていますが、熱を逃がすことで持ち手が熱くなりにくいそうです。
<蝶番付きの蓋>
蝶番付きの蓋になっているので、角度を付けてお湯を注いだとしても蓋が落ちる心配はありませんね。
蓋があった方が中のお湯の温度が下がりにくく、特に真冬では効果を発揮しそうです。
<底部>
底部まで磨かれたステンレスで美しいです。
「M-5 SIZE」「YUKIWA」の刻印がありますね。
<注ぎ口>
「コーノ特別仕様」ならではの注ぎ口です。
やや下方向に緩やかなカーブを描いていて、このカーブによってお湯のキレをよくして1滴ずつの点滴注湯をしやすくしているそうです。
真正面から見てみると、若干右に歪んでいるような??
(持ち手から見ると左方向)
職人が1つずつ加工しているそうなので、個体差は出るのは仕方ないことでしょうね。
実際にお湯を注いだ時にどのようなお湯の流れになるか注目です。
<内部>
蓋を開けて内部を覗いてみると、、、
なんだかちょっと汚れてますね。
注ぎ口の根元にある目皿が外してあるのも「コーノ特別仕様」ならではなのですが、底部の黒ずんだ跡の方が気になりますね。
これはちょっとショックです。
(安いものではないので。。。)
電気ケトルなどで沸かしたお湯しか注ぐ予定はないので、熱湯を注いで捨ててみましょう
結構落ちましたね。
柄の長い棒に柔らかい布を巻き付けて水分をふき取ってみると
黒ずんだ跡はだいぶ落ちました。
目皿を外した際のステンレスのカスが残っていたのでしょうか?
コーヒーのお湯を注ぐアイテムなので後程
「熱湯を注いで捨てる」という作業を5回繰り返して行います。
<蓋と持ち手の接点>
蓋を開くと持ち手に当たりますので、お湯を注ぐ時はふたをゆっくりと開けないとキズになりそうですね。
ステンレスの美しい輝きにキズがつくのは気が引けるので、注意して開閉するようにします。
<重量感>
空の状態で持ち上げてみると軽く感じます。
今までずっと使用してきた「コーヒー達人・ペリカン 1ℓ」と並べてみると、よりコンパクトな「YUKIWA(ユキワ)コーヒーポット M-5」はかなり軽く感じますね。
実際に計量してみると
「YUKIWA(ユキワ)コーヒーポット M-5」はジャスト500g
「コーヒー達人・ペリカン 1ℓ」は584g
比較すると84gもの差があるわけですね。
ちなみに、「コーヒー達人・ペリカン 1ℓ」の蓋を外して計量すると
494gでした。
蓋の重さは90gで、
”蓋を外した「コーヒー達人・ペリカン 1ℓ」とだいたい同じぐらいの重さ”
ということがわかりました。
お湯を注ぐ練習をして個体差によるお湯の流れを見極める
さっそくコーヒーを淹れて楽しんでいきたいところですが、初めて使用するコーヒーポットでいきなり”点滴注湯”できる自信はないのでちょっと練習します。
他にも、注ぎ口を正面から覗いた時に感じた違和感
”やや右方向に歪んでいるような感覚”
(持ち手側から見ると左方向)
が実際のところはどうなっているのかも一緒に見ていきましょう。
まずは沸かしたお湯を500㎖ほどいれてみます。
(水でも良いのですがなんとなくお湯で)
コーヒーポット全体の5割程度まで入りましたね。
この状態でお湯を注いでみましょう。
(スマホ片手に撮影しているので安定していないです。)
たしかにコツさえつかめば点滴注湯しやすそうです。
ただし、注ぎ始めはお湯が多く出がちになりますね。
今度は別角度から撮影してみました。
適切な点滴であればお湯が真下に落ちていきますが、少しでもお湯が多かったり少なかったりするとたちまち”左方向(持ち手から見た場合は右方向)”に歪んでお湯が落ちていきますね。
注ぎ口を真正面から覗いた時の違和感の真逆方向にお湯が流れていく感じです。
どうやら、
・1滴ずつポタポタとお湯を落とす点滴
・やや太めのお湯
であれば問題なく注湯できそうですが、
・糸のような細いお湯
を注ぐのは難しそうですね。
(そちらは「細口」の専売特許というところですか)
とりあえず点滴をうまく注げるようにもう少し練習を重ねたところ
点滴注湯に関しては実用できるぐらいにはなりました。
(だいたい10分ほどの練習)
お湯の注ぎ初めは少し勢いよく注がれてしまいますが、注ぎ口にお湯が溜まれば点滴注湯するのはさほど難しくありません。
いきなり珈琲豆にお湯を注ぎ始めるのではなくコーヒーカップなどにお湯を少量注いでから
「点滴注湯の準備」
を済ませた方が綺麗な点滴注湯(点滴ドリップ)ができそうですね。
とはいえ、点滴注湯から太めのお湯に切り替えるのは容易でも、細めのお湯を注ごうとするとお湯がブレるのは何とかしたいところです。。。
(慣れてしまえばどうとでもなりそうですが)
もし
「真下に落ちるように修正加工できるよ!!」
という方がいらっしゃれば連絡をいただけると幸いです。
※加工費などは要相談
「コーノ式」で実際にコーヒーを淹れてみるとよりまろやかなコーヒーに仕上がる
点滴注湯の練習はできたので、さっそくコーヒーを淹れていきましょう。
もちろんコーヒーの抽出には「KONO名門フィルター 1~2人用(MDN-21)」を使用して、点滴注湯で珈琲豆とお湯を馴染ませる「コーノ式」です。
円錐型ドリッパーを初めて世に出した『珈琲サイフォン株式会社』さんの「KONO(コーノ)」ブランドのコーヒードリッパーは、ネルドリップのお湯の注ぎ方である点滴注湯を基本として構想されています。
厳密には「コーノ式」ではありませんが、コーヒーを抽出していくレシピは「コーノ式」をベースとする
「Abyss」
挽き目 :中粗挽き
珈琲豆 :17g
お湯温度:86度
抽出時間:4分(蒸らし時間なし)
抽出量 :約180cc
※基本レシピですので随時調整しています
使用する珈琲豆は『堀口珈琲』さんで取り扱っている
コスタリカ「【ブルマス・デル・スルキ】ドン・ホセ」フレンチロースト
(2020年12月21日現在品切れ)
深煎りらしい味わいの珈琲豆で、つい先日も点滴ドリップして味を確認しているのでonoD自身には違いがすぐに分かると思われます。
(2020年12月20の「Today’s Coffee」参照)
コーヒーを抽出するために再びお湯を沸かして準備をします。
ステンレスで出来た「YUKIWA(ユキワ)コーヒーポット M-5」に注いだお湯は、中々お湯温度が下がらないようですね。
電気ケトルで沸かしたお湯を移して、だいたい3分ほどで良い感じ温度まで下がりました。
(正確な時間は失念。)
温度計を抜いて蓋を閉めたら抽出準備完了です。
さっそく点滴注湯していきますが、
真下にポタポタとお湯が滴下していくためかなり注ぎやすいです。
やはり「コーノ特別仕様」と銘打つだけあって「コーノ式」の淹れ方である点滴ドリップとの相性は抜群ですね。
また、持ち手は全くと言っていいほど熱くなりません。
蓋はかなり熱くなっていましたので、持ち手の接合部に開けられた小さな穴の効果は絶大なようです。
抽出完了です。
点滴していくとコーヒーがポタポタと抽出が始まるとともに徐々にお湯を太くしていくのですが、スマホで撮影しながら注湯をコントロールするほどの余裕はないのでいきなり抽出完了です。
徐々にお湯を太くしていく過程で感じたのはやはり、
「点滴から線上のお湯への切り替え時に暴れる」
ということでした。
冗談でもなんでもなく
「真下に落ちるように修正加工できるよ!!」
という方がいらっしゃれば連絡ください。
※加工費などは要相談
さて、コーヒーの抽出過程で「点滴ドリップしやすい」というのは間違いないですが、重要なのは「コーヒーの仕上がり」です。
さっそく味わっていきましょう。
・・・いつもより美味しい。
「コーヒー達人・ペリカン 1ℓ」で点滴ドリップする時よりも、
”コーヒーの味がまろやか”
に感じます。
このあたりは個人の感性が大きく影響するところなのであまり深くは述べませんが、
コーヒーの味がまろやかになりつつも濃厚さはそのままで味がよりクリアに感じられる気がします。
まさかコーヒーポットの違いだけでここまで「コーヒーの味の違い」を実感できるとは思いもしませんでした。
個体差によるところもあるが「点滴注湯のコーヒーポット」としては逸品
数あるコーヒーポットの中でも喫茶店などで昔から使われ続け、コーヒーのプロからは今なお根強い人気を誇るコーヒーポット。
「YUKIWA(ユキワ)コーヒーポット M-5」
完成されたデザインにステンレスの銀の輝きが目を引くコーヒーポットの名品に、先端に加工を施して点滴注湯に特化した「コーノ特別仕様(広口)」の開封レビューをしました。
コーノ特別仕様と銘打つだけあって、点滴ドリップで淹れ上がったコーヒーは自分でも驚くほどにまろやかな味わいの仕上がりに。
・点滴から線状のお湯への切り替え時に暴れる
・コーヒーポットの内部が汚れていた
という点は目に付きましたが、個体差によるところでしょう。
すでに完成されたコーヒーポットに加工を加えるわけですから個体差が出るのは仕方ないことだと思います。
”点滴に特化したコーヒーポット”とみれば、これ以上の品はないと思えるくらいのクオリティで大満足です。
「YUKIWA(ユキワ)コーヒーポット M-5」の「コーノ特別仕様」は取り扱っているところも少なく、さらに「広口」仕様のものは在庫切れのところも多いです。
もし見つけたのならば一度は手に取ってその点滴注湯のしやすさを味わってほしいコーヒーポットです。
途中で何度か記載していましたが、
「点滴から線状のお湯に切り替えるときに真下に落ちるように修正加工できるよ!!」
という方がいらっしゃれば本当にご連絡をください。
加工費などは要相談ですが、ここさえ改善されればonoDにとっては「100点」と思えるコーヒーポットになります。
(黒ずんだ跡はある程度落ちましたので気にしていません。)
コーヒーを楽しむ上で「コーヒーポット」は、サイズの問題であったり値段が高かったりとなかなか数を揃えるのは難しい珈琲器具と言えます。
そんな中、自分の理想とするコーヒーポットと出会えたのならば、それはまさしく一生モノの珈琲器具となることでしょう。
少しぐらい値段が高かったとしても「気を惹かれる何か」を感じたのならば、やはり一度は手に取りたいところですね。
それでは本日も素敵なコーヒータイムを。
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