ブラックの苦みや酸味が苦手な人もいらっしゃいますよね。
そんな方はコーヒーに塩をひとつまみ入れて飲んでみると、、、
酸味が消えて苦味が緩和されますよ。
ブラックにミルクや砂糖を入れるのは珍しくありませんが、コーヒーに「塩」を入れて飲む方法をご存知ですか?
塩チョコレートや塩キャラメル、ソルティバニラなど甘いものに塩を組み合わせたスイーツが数多くありますが、伝統的なコーヒーに「塩コーヒー」もあります。
この記事では塩コーヒーの美味しい飲み方や主に飲まれている国の紹介しています。
健康に気遣う方にも耳寄りな情報も集めていますので、是非最後まで読み進めてくださいね。
コーヒーに塩を入れると「まろやかで柔らかくなる」
ホットでもブラックでも、コーヒーに塩をひとつまみ入れると”角が取れてまろやかで柔らかく”なります。
酸味がなくなり苦味も和らぐので「飲みやすいコーヒー」になりますよ。
普段のコーヒーが飲みにくいということではありませんが、酸味が際立ちすぎたり苦味が強すぎたりすると飲みにくいという人も多いですよね。
コーヒーに塩を入れると「塩辛くなりそう。。。」なものですが、決してそんなことはありません。(もちろん入れすぎればしょっぱくなります。)
これには人間の舌の仕組みが大きく影響しているので、基本からのおさらいをしていきます。
酸味と苦味が緩和するメカニズム
人間の舌は酸味・苦味・塩味・甘味・旨味の5つを感じます。
コーヒーは主に酸味と苦味の2種類が刺激されるのですが、ここに塩味が追加されることで酸味と苦味が和らぎます。(”抑制効果”と言います。)
「スイカに塩を振ることで甘さを強める」
といったように、昔からごくごく一般的に知られていたメカニズムですよね。
ちなみに”コーヒー本来の甘さ”を感じたい場合も塩は効果的です。
塩を入れることで酸味と苦味が和らぎ、コーヒーに隠れていた甘味が顔を出しますよ。
苦いからと言ってコーヒーに砂糖を入れる人も、一度塩コーヒーを試してみてください。
グァテマラやタンザニアなどの中南米コーヒー豆の良質なものは甘さもしっかりと持っていますよ。
塩コーヒーには「天日干しされた海の塩」を使うべし
コーヒーに塩を入れるならミネラル豊富で美味しい「天日干しされた海の塩」がおススメです。
塩化ナトリウム(食塩)はそのまま舐めると「しょっぱい!!!!」となりますよね。
海水から作られた海の塩は「塩っ辛い!」となるのかというと、意外や意外に塩味がそこまで強くありません。
精製した食塩にはないミネラル(マグネシウムやカルシウムなど)が豊富に含まれていることで、塩味は緩和されているんです。
筆者が良く使っているのは沖縄県の「ぬちま~す」です。
サラサラのパウダー状で水にも溶けやすく、ホットコーヒーに一つまみ振りかけるだけで溶けちゃいますよ。
まずいコーヒーも激変「ひとつまみの魔法」
良くないコーヒー豆で淹れたコーヒーに塩をひとつまみ入れるだけで味が激変します。
嫌な酸味や苦みが消えて徹底管理されたスペシャリティコーヒーに近い仕上がりになりますよ。
コーヒー豆を購入する場合は「自家焙煎店」などのコーヒー豆専門店で購入するのが一番ですが、手軽に購入するならスーパーで置いてあるものが手に取りやすいですよね。
最近のスーパーはコーヒー豆のラインナップも豊富で有名店のオリジナルブレンドを取り扱っていることもあります。
ただし、大量に入荷してお店に陳列するのがスーパーなので「焙煎されてからどれぐらいの時間が経過していのか?」が分からないのがほとんどです。
コーヒーはフルーツの仲間で生鮮食品です。
焙煎されて3日経過したものは冷やして保管するのが望ましいのですが、スーパーではどれぐらいの期間常温にさらされているかわかりませんよね。
見た目にはわからなくともお湯を注いだら一目でわかります。
コーヒー豆と同程度のお湯をまんべんなく注いで(いわゆる蒸らし)観察します。
・膨らまない
・ドリップが速い
という兆候が見られたら「焙煎されてから時間の経過したコーヒー豆」とみて間違いありません。
”コーヒー豆が膨らまない=鮮度が落ちている”というのは有名な話ですが、良くないコーヒー豆はドリップも速い傾向があります。
そんな膨らまなくてドリップが速いコーヒー豆でも最後に塩を一つまみ入れれば万事解決です。
嫌な酸味や苦味、雑味がス~っと消えて飲みやすいコーヒーに変身します。
缶に入った大容量のコーヒー豆を購入して時間が経ったら嫌な味を感じるようになった!という場合に魔法のように使えちゃいますよ。
ちなみに、「コーヒー豆は膨らまなくても美味しいものもある!」と言う方もいらっしゃいますが、これは方便(ほうべん)だと思いますよ。
3年以上毎日3杯コーヒーを飲み続けてる筆者としては”お湯を注いで膨らむコーヒー豆の方が美味しく感じた”のは間違いありません。
アイスコーヒーに塩はどう?
塩バニラなどバニラアイスに塩をかけるデザートはよく耳にしますし、海外ではホットに塩を入れる文化が根付いている場所もあります。
ですが、アイスコーヒーに塩を入れるのはあまり聞いたことがありません。
実際にアイスコーヒーに塩を入れてみると、、、
とても美味しく楽しめますよ。
深煎りコーヒー豆を多めに使用した急冷式アイスコーヒーでも苦味が丸みを帯び、まるで「水出しコーヒー」のようなクリアさになります。
水出しコーヒーや急冷式アイスコーヒーについても是非参考にしてみてくださいね。
個人的な感覚ですがアイスに塩は”ホット以上に苦味が弱まっている”ように感じます。
氷が溶けて薄まらないようにするアイスコーヒーは、キリッとした苦味を強調するのが基本です。
そのため苦手と感じる人も多いのですが塩を入れることで苦味が丸くなります。
アイスならではの冷たいのど越しの良さを存分に楽しむことができますよ。
気になる塩の溶け具合ですが、溶け残りは全く感じませんでした。
粒度の細かい「ぬちま~す」を使用したのもありますが、最後まで飲み進めても粒の残りはありませんでしたよ。
ただし、食塩(塩化ナトリウム)を使用する場合は常温の水でも溶け残りが出るぐらいなので攪拌(かくはん)するなどの工夫が必要です。
アメリカ海兵隊の「海軍コーヒー」
アメリカ海軍で流行った「海軍コーヒー」をご存知ですか?
海兵隊さんの間ではコーヒーはなくてはならないものだったのですが、その経緯に「塩」が大きくかかわっています。
アメリカ海軍・海兵のコーヒー話。
海兵もそうですが、特に海軍関係者はコーヒーが無いと動かなくなってしまうので、たいへん重要です。(今の世代はそんなでもないかも)
実はアメリカ海軍におけるコーヒーの位置づけは独立戦争時まで遡ります。 pic.twitter.com/bzGMCDKwpm— Yu P. Eiwalkee (@yupeiwalkee) March 3, 2023
Yu P.Eiwalkee@yupeiwalkeeさんがX(旧Twitter)のリプライ欄に詳しく解説されていますが、ざっくりとまとめるとこうです。
・オレたちの楽しみ酒が禁止された!!
・眠気防止と体を温めるのにコーヒーを飲むぞ!
・海上で飲むより陸地で飲むコーヒーが泥水っぽいぞ?
・塩をひとつまみ入れるか塩水使うと良い感じだぞ!
ということで塩を使ったコーヒーが海兵隊の間で流行り「海軍コーヒー」と呼ばれるようになったわけです。
今ほどコーヒーの品質が良かった時代ではないので、美味しいコーヒーを楽しむにはそれなりに運(あなたの周りにもいるかもしれないコーヒーに命を懸けてるやつ)が必要だったんです。
厳しい状況下でのちょっとした楽しみは欠かせませんからね。塩をひとつまみ入れるだけでそれなりに飲めるようになる塩コーヒーは大流行です。
海軍カレーが食べられることで知られる靖国神社内の遊就館にある「茶寮 結(さりょう ゆい)」では海軍コーヒーも楽しめます。
※通常の1.5倍量のコーヒー粉に食塩を少々混ぜてドリップするのが海軍コーヒーとされています。
海軍コーヒー以外にもコーヒーに塩を入れる文化がある国として、”コーヒー発祥の地”エチオピアも挙げられますし、カリブ海周辺諸国でも一般的な飲み方です。
他にも北欧地域(主にフィンランド・スウェーデン・ノルウェー)で飲まれる「フィールドコーヒー」に代表される煮出しコーヒーには岩塩を入れたり、最古のコーヒーとして知られる「トルココーヒー(ターキッシュコーヒー)」では塩以外にもスパイスを入れる飲み方もあります。
ブラックではなくアレンジコーヒーですがインドのカフェオレ「インディアンコーヒー」にはミルクと砂糖の他に塩を少々入れるのも特徴です。
海軍コーヒーもダークロースト(深煎り)のコーヒー豆を濃く抽出するのが基本ですので、総じて「ものすごく濃いコーヒー」が飲まれる地域での飲み方ですね。
苦味に対して塩は相性抜群です。
逆に甘いと感じるコーヒーに対しても効果的だと思いますよ。
例えば韓国発祥のインスタントコーヒーと砂糖を混ぜてひたすらに泡立たせ、牛乳の上に流し込む「ダルゴナコーヒー」にはこれでもかってぐらいに砂糖が入っています。(個人的に甘すぎ。)
ダルゴナコーヒーの泡に”粒度大きめの塩”をまぶしたらちょうどいい塩梅になると思うんですよ。。。
ちなみにですが、濃くて苦いコーヒーの代表格「エスプレッソ」が好まれるイタリアには塩を入れる文化はないようです。(個人の好みで入れる場合はアリ)
熱中症対策に塩コーヒーはどう?ダイエット効果は?
コーヒーは熱中症対策に有効かどうか?
事あるごとに議論されることですが、結論としては「コーヒーを飲み続けてる人は熱中症対策になる!」というのが毎日3杯はコーヒーを欠かさず飲んでいる筆者の見解です。
「コーヒーには利尿作用がある!だから水分補給にならないから熱中症対策としては無意味!!」とイメージされるのが一般的ですよね。
コーヒーを飲むとトイレが近くなるから水分が外に出る。たしかにそうかもしれません。
ですが、毎日3杯コーヒーを飲んでいる身としては「コーヒーを飲む=トイレが近くなる」というのは”当てはまっていない”ように感じます。
むしろ水をこまめに飲んだ時の方がトイレが近く頻繁です。
コーヒーに含まれるカフェインに利尿作用があるのは事実ですが、効果としては比較的弱い上にコーヒーの98%以上は水です。(濃厚なエスプレッソでも90%は水。)
さらに塩が加わることで効率的に水分が身体に吸収されます。
天日干しされた海の塩なら塩分だけでなく豊富なミネラル補給にも期待できるのでより良いですね。
参考:インタビュー<第7買い>コーヒーと健康~コーヒーと水分補給~|ネスレなぜなに?「コーヒーと健康」専門家インタビュー記事シリーズ
参考:熱中症からカラダを守ろう 効率的な水分補給|大塚製薬
参考:コーヒーで脱水症状になることはある?利尿作用の影響について
アメリカのカリフォルニア大学やコネチカット大学では「コーヒーを飲んだからと言って脱水症状にはならない(カフェイン野利尿作用以上に水分を補給するため)」と発表しています。
普段からコーヒーを1日1杯でも飲んでいる人ならばカフェインに対して耐性ができるため尿排泄量が増えたりすることはないそうですよ。(筆者はコーヒーを飲んでもトイレに行きたくはなりません。)
コーヒーを飲まない人がたまに飲むとすぐにトイレに行きたくなるのは耐性が出来ていないためですね。
他にも気になるのはコーヒーの「ダイエット効果」ですよね。
こちらについても度々議論されていますが、
・コーヒーに含まれるカフェイン、クロロゲン酸
・塩に含まれるミネラル
これらによって脂肪の分解・燃焼、結構の促進、老廃物の排出、腸の活性化が期待できるためダイエット効果はあると思います。
ただし!
塩コーヒーを飲んでいるからと言ってみるみる体重が落ちるといったものではありませんよ。
適度な運動による筋肉育成・脂肪燃焼ももちろんのこと、摩耗した筋肉をより強力に作るための栄養補給(食事)は必須です。
塩を入れていないコーヒーでも毎日3杯飲み続けている筆者が、
・週1で2時間バスケットボール
・週1で100km自転車走行
を3ヶ月続けたら75kg→63kgまで体重が落ちました。
食事制限は一切しておらず、脂物や甘いものから炭水化物までガッツリと食べています。
体重の変化については個人差があるので一概には言えません。
しかし、何をするにしても継続しなければ結果は出ませんし知識だけあっても成果は出ませんよね。
もし運動しながら塩コーヒーで効果を期待するなら、塩コーヒーを飲むのは運動30分前に1杯飲むのが効率的だと思いますよ。
それでは本日も素敵なコーヒータイムを。
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