マウンテンバイクならではの太いタイヤも大きなサスペンションも、泥だらけの山道だけでなく普段の街乗りでも快適そのものの装備です。
そんなマウンテンバイクで長距離を快適に走りたいという方もいらっしゃいますよね。
この記事では筆者が街乗りに愛用しているマウンテンバイクで、成田市内から片道50km以上をライドして九十九里浜まで行き、さらに回り道をして1日で100km走ってきた実体験を元に
「マウンテンバイクで長距離楽しめるじゃん!」
楽しめた部分から
「ここが辛かった!」
注意点まで余すことなく紹介しています。
想像していたよりもずっと快適に楽しむことができたので、マウンテンバイクでロングライドに挑戦してみたい!という方は是非参考にしてみてくださいね。
マウンテンバイクで長距離走るデメリット
マウンテンバイクで長距離ロングライドをするにあたって辛かったのは、そもそもが長距離を快適に走るようには設計されていないことです。
20kmほど走るだけならロードバイクもクロスバイクもマウンテンバイクでも、スピード以外に大した違いはありませんよ。
マウンテンバイクだからこそのロングライドのデメリットをはじめに紹介しますね。
姿勢が変えられないのがツラい
マウンテンバイクのハンドルの特徴は横に長く悪路でもバランスを取りやすいことです。
ゴム製やレザー製のグリップ部分を握るのが基本な自転車において、握る場所で乗車姿勢を変えることができます。
しかし、握る場所が固定されるマウンテンバイクは姿勢を変えることができずに体が固まりがちです。
その点、ドロップハンドルが装着されるロードバイクは複数ポジションで握れるので固まった姿勢をほぐすことができるんですよね。
1時間ほどのライドならずっと同じ姿勢でも大して疲れません。
これが連続で2時間もライドするとなると手のひらに痺れが出たり肩が凝ったりします。
片道50kmをライドする場合、マウンテンバイクでは3時間ほどかかります。
(路面状況や個人のスピード、体力にもよります)
マウンテンバイクでのロングライドで一番辛いのは姿勢が変えられないことなんですよね。
スピードが出ない
街乗りだけに限定するならあまり気にならないところですが、マウンテンバイクはスピードが出ません。
もちろん、ママチャリに比べれば圧倒的なスピードを出すことができるのですがロードバイクに比べると速度域はガクッと落ちますね。
瞬間的なスピードではなく巡航速度は走行距離に直結するので、長距離を走ろうと思ったら意識したいところです。
しかしマウンテンバイクでのオンロードでの巡航速度は15~20km/hといったところです。
マウンテンバイクでスピードが出にくい要因としては
・太いブロックタイヤ
・衝撃を吸収するサスペンション
・腕を広げたアップライトな乗車姿勢
・車体重量
などがあげられます。
簡単にいえば「重くて空気抵抗が大きいからスピードが出ない」ということですね。
スピードが出ないという意味ではデメリットと言えばデメリットなのですが、これらは快適なロングライドをするという意味ではメリットにもなり得ますよ。
オンロードの登坂
マウンテンバイクで舗装路の坂を上るのはけっこうキツいです。
スピードが出ない原因と同じなのですが、重くて空気抵抗の大きいマウンテンバイクは登坂には向きません。
脚力でグイグイ登ることはできなくはないのですが、長距離走るロングライドで途中の坂で疲れてしまっては元も子もありません。
ロードバイクに比べて軽いギアが搭載されるマウンテンバイクなので、ギアを軽くしてゆっくりと登っていく。
もしくは無理せずに足をついて押していってあげましょう。
成田から九十九里までは「芝山はにわ街道」などアップダウンの激しい道もありました。
行きと帰りで通ったのですが、帰りは大人しくマウンテンバイクから降りて坂を上りましたよ。
マウンテンバイクは乗り心地が良い
前項でデメリットはいくつか紹介しました。
それらを差し引いてもマウンテンバイクは”驚くほど乗り心地が良い”ので長距離も苦になりません。
マウンテンバイクと言えば空気のたくさん入る太いタイヤが特徴的ですよね。
このタイヤが段差を乗り越えても体に伝わる衝撃が少なくふわふわの乗り心地になっているんです。
また太いタイヤは路面状況に気を遣うことなくグングン進めて滑りにくく、パンクのリスクも低いです。
サスペンションの付いているマウンテンバイクは確かに重量感はあるものの、速く進もうとしない限りは衝撃を吸収してくれるので体が楽です。
姿勢が変えられないなど確かに辛い部分はありますが、スピードを重視せずにゆっくりと景色を眺めながらライドするならば
”雲の上を走っている”
ような極上の乗り心地ですよ。
片道50kmをゆっくりと快適に走るという点ではロードバイクよりも性能は上です。
マウンテンバイクで長距離を快適に走るコツ
マウンテンバイクはそのままでも50km程度なら極上の乗り心地で快適に楽しむことができますが、さらに快適に楽しむポイント(カスタム)もありますよ。
タイヤの空気圧を上げる
タイヤの空気圧は上げることで舗装路に強くなり、下げることで悪路に強くなります。
マウンテンバイクのタイヤは悪路で強くなるように空気圧を低く設定していることが多いのですが、舗装路を多く進む長距離ライドなら空気圧を上げた方が快適になります。
どれぐらいまで上げればいいかは使用しているタイヤによって異なります。
タイヤ側面に記載されているので、限界まで上げちゃいましょう。
私の乗っているマウンテンバイクに標準装備の「WTB Ranger Comp 27.5×2.25」なら
35 – 55 PSI
2.4 – 3.8 BAR
240 – 380 kPa
という記載があります。
最大値は3.8BARですね。
(マウンテンバイクならbar表記が多い)
空気圧計付きのポンプで確認しながら空気を入れましょう。
タイヤを変える
マウンテンバイクには太いゴツゴツの突起があるブロックタイヤが標準装備されています。
ゴツゴツなので悪路にはすこぶる強いですが、舗装されたオンロードを走ると抵抗が大きくなって中々進みません。
そこで、タイヤの中心がツルツルな「スリックタイヤ」または「セミスリックタイヤ」に変えるのも長距離を快適にライドする一つの手です。
タイヤを変えることで乗り心地が大きく変わるので、長距離を走る場合と悪路を走る場合で使い分けると楽しみが増えますね。
サスペンションのロックアウト
悪路を走る時には効果的ですが舗装路メインで走るなら邪魔になるのがサスペンションです。
サスペンションが機能しているとペダルを踏み込んだ力まで吸収されてしまうので思ったようなスピードが出せません。
平坦道を走るなら大して気になりませんが、坂道を上る時などは力の逃げをより実感しますよ。
特にアップダウンの激しい道を行くなら顕著に疲れ方が違います。
サスペンションフォークをリジットフォークに変えるのも良いですが、サスペンションを機能させたいときもあるのがマウンテンバイクです。
ロックアウト機構付きのサスペンションならオンロードでサスペンションをロックすることもできます。
機構がついてない場合はサスペンションを調整して固くするだけでもオンロードが十分走りやすくなりますよ。
成田ー九十九里間はアップダウン多め
成田市内の自宅を出発してから芝山の「芝山はにわ街道」を通り、途中から農道を抜けて国道126号線に出て千葉県道121号線に沿って「本須賀海水浴場」まで行きました。
お隣の「片貝海水浴場」でコーヒーをアイスコーヒーを楽しんでから、11km先の「白浜海岸」まで行って折り返してからの帰宅です。
成田市内の自宅から、片道50kmを超えるライドです。
やはりキツいのは「芝山はにわ街道」のアップダウンの連続ですね。
歩道は草木が生い茂っていて車道は車の交通も多いです。
坂の距離はそこまでなくともギアを落としてシャカシャカとペダルを漕いで斜面を登るのは中々に骨が折れました。
朝8時に出発して帰宅したのは16時過ぎ。
休憩もこまめにとっていましたしコーヒータイムはゆっくりと過ごしました。
時速15~17km/h程度で巡航していた計算です。
坂道はツラくとも平坦道はスピードを頑張って速度を出すようなことはしなかったので疲れはそこまでではなかったです。
マウンテンバイクでの長距離ライドの一番の敵は「坂道」ですね。
ちなみに、この日は5月中旬でも30度を超える真夏日。
コーヒーはホットではなくアイスにしました。
ハンドドリップでアイスコーヒーにするには氷が必要なのですが、近くのコンビニで購入できます。
しかも、一人で楽しむにはちょうどいいサイズの「氷入りのカップ」があるのでコーヒーのドリップもしやすいです。
飲み口付きの蓋もできて飲み終わったらそのままゴミとして捨てられるのでものすごく便利ですよ。
コンビニで何でも購入できる良い世の中ですね。
コーヒーをドリップするのにコーヒーミルやドリッパー、湯沸かしセットなど必要な道具はすべてバックパックに入れて背負っていきました。
総重量としては5kgってところです。
片道50kmライドして背中からバックパックを下ろすと肩がスゥッと軽くなりました。
やはり疲れはたまっていたようですね。
今度は片道70kmぐらいに挑戦したいところですが、マウンテンバイクでの長距離ライドは「片道50km」が限界かな?といった感じです。
より長距離を自転車で楽しみたいなら、ロードバイクを検討した方が良さそうですね。
それでは本日も素敵なコーヒータイムを。
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