アウトドアでコーヒーを楽しむにあたって一番重要となるのはお湯を沸かすことで、風が吹いていたりすると中々お湯は沸きませんよね。
バーベキュー用などで販売されている厚手のアルミホイルで「アルコールストーブ専用風防」は誰でもお手軽に作れますよ。
「D’s CAFE Style」のonoDです。
できるだけ軽量コンパクトな荷物で湯沸かしを使用と思ったら、CB缶やOD缶を使用するバーナーを使用するよりも固形燃料やアルコールストーブでの湯沸かしが荷物は軽くなります。
さらに、マグカップなどの重くないクッカーで湯沸かしするならば、直接置くことのできるゴトクの要らないEVERNEW(エバニュー)さんの「チタンアルコールストーブ(EBY254)」を熱源にすればより軽量になりますね。
となると風さえ防げる「風防」があった方が便利なのですが、エバニューさん純正の風防「Ti フーボー(EBY246)」もあった方が良いですね。
チタン製で焼き色も綺麗に付きますし、17gと軽くてとても素晴らしいのですが、、、
組み立てがやや面倒なのとチタン製ゆえにちょっとお高め。
そこで、Tiフーボーの寸法を参考にして厚手のアルミホイルでオリジナル風防を作成しました。
これなら組み立てる必要もないですし丸めて持ち運びもできてコンパクト。
なにより材料費が安いです。
この記事では厚手のアルミホイルを用いた「アルコールストーブ専用風防」の設計工程と製作過程を紹介しています。
アルコールストーブ専用風防と言っても、固形燃料でも使用できますしエスビットなどのポケットストーブの風防としても使用できるので汎用性は高いです。
是非参考にしてみてくださいね。
外で使うには風に弱すぎるアルコールストーブ
アルコールストーブを熱源とした場合、
・蓋がないと火力調整難しい
・別にゴトクがないと使用できないものが多い
・燃料となるアルコールをこぼすと大惨事
・絶対的な火力はガスバーナーに劣る
・風にものすごく弱い
といった感じでデメリットばかりが目立つ。
「でもアルコールストーブって軽いじゃん?」
という意見もあるけども、軽量化だけを考えるなら固形燃料の方が軽い。
そんな「誰が使うんだ?」っていうようなアルコールストーブだけども、一部の方々には熱狂的な人気がある。
デメリットが多い?そこがイィ!!
そう。
アルコールストーブという浪漫(ろまん)アイテムに魅入られた人は多いんです。
私が所有しているアルコールストーブはEVERNEW(エバニュー)さんのチタンアルコールストーブ(EBY254)。
こちらはアルコールストーブの特徴(デメリット)でもある
”別にゴトクがないと使用できないものが多い”
に当てはまらない数少ないアルコールストーブだったりする。
火の出る燃焼穴が2段になっていて、本体も丈夫なチタン製であるために重すぎないクッカーであれば直置き出来る仕様なのだ。
他の特徴(デメリット)として挙げられるものの大半は「浪漫(ろまん)」という力強いパワーワードで乗り越えることができる私だが、1つだけどうしても乗り越えることができないものがある。
それが
”風にものすごく弱い”
という点だ。
アルコールストーブを使うのは何のため?
⇒ 熱源として扱うため!!
クッカーを温めて調理をしたり、お湯を沸かしたりするのに使用するのがアルコールストーブの本来の目的。
直置きができるEVERNEW(エバニュー)さんのチタンアルコールストーブだが、他のアルコールストーブ同様ちょっとでも風が吹けばお湯が全く沸かない(熱が伝わらない)。
200mlの水を30分かけても沸かないこともある。
直置きできるチタンアルコールストーブはゴトクがなくても使用できるが、風から火を守る「風防」は必須アイテムなのだ。
EVERNEW(エバニュー)さんからもチタン製の軽い風防は販売されている。
ナイスな見た目でクッカーやマグカップ内に丸めて収納すればかさばらなそうだが、私は思う。
「コレ、アルミホイルで似たようなの作れるんじゃね??」
オリジナル風防を設計する
アルコールストーブの炎を風からアルミホイルでも十分守ってくれるはず。
「だったら既製品じゃなくて自分で作ってしまおう!」
ってことでチャレンジしてみることにしてみた。
いきなりアルミホイルにハサミを入れて設計していっても良いけども、より精度を高くするために設計図を書いてみよう。
イメージとしてはEVERNEW(エバニュー)さんの「Ti フーボー(EBY246)」を
・組み合わせの必要がない(高さ調整不要)
・外寸はほぼ同じ
・チタンではなくアルミホイルで製作
といった感じ。
「Ti フーボー(EBY246)」
サイズ:40.5x5.0cm
組立時:H86mm 径12.4cm・径10.8cm(0.1mm厚)
質量:17g
材質:チタン
日本製
組立時の高さは8.5cmで、サイズは40cmでイメージして設計してみよう。
完成イメージを固めるために、A4のコピー用紙を高さ8.5cmに切ってアルコールストーブにゴトクを載せてチタンマグカップ300mlに巻き付けてみる。
A4のコピー用紙は長辺30cm弱なので径は足りてないけども何となくイメージはできるね。
長辺40cmで製作すればゴトクを使用しなくとも持ち手は干渉しなくなるけど、
・エバニューさんのチタンアルコールストーブに直置きでも対応
・450mlの一回り大きいマグカップにも対応
って感じにしたいので、
”マグカップの持ち手部分が干渉しにくくなる”ように工夫を入れる。
EVERNEW(エバニュー)さんの「Ti フーボー(EBY246)」にも持ち手が干渉しないように切れ込みが入ってるしね。
イメージで巻き付けたA4コピー用紙に
「幅5cm×高さ2cm」
「幅5cm×高さ1.5cm」
「幅4.5cm×高さ1.5cm」
の3パターンの切れ込みを入れて持ち手部分にあわせてどれだけ干渉するか見てみる。
「幅5cm×高さ2cm」だと余裕があり過ぎて、「幅4.5cm×高さ1.5cm」だと300mlのマグカップの持ち手にも干渉する。
ということで「幅5cm×高さ1.5cm」ぐらいがちょうど良さそう。
イメージも固まったので設計図に起こしてみる。
点線が折り曲げる部分で、実線がカットする部分。
全体的に強度を上げるために1cm内側に織り込むように余白を確保している。
(縦10.5cm×幅42cm)
実際にカットして折り曲げて、組み立ててみて漏れがないか確認してみよう。
まずは実線部分をカット。
あ、、、
早速漏れ発見。
持ち手干渉対策の切れ込み部分の折り曲げ部分が足りなかった。
加筆しておこう。
気を取り直して、カットした設計図を折り曲げてみる。
基本的に全部同じ方向に折り曲げれば良いけども、
持ち手干渉対策の切れ込み部分は組み立て時に重なる部分がロック機構を備えられるようにそれぞれ逆向きになるように折り曲げる。
ということで仮組み立て完了。
上から覗いてみると
ピッタリすぎる。
長辺30cmm弱のA4コピー用紙だから長さが足りてないから仕方ないね。
それでも持ち手干渉対策に入れた切れ込みは
バッチリ機能してるからしっかりと風から守ってくれそうだね。
これなら長辺40cm(余白含めて42cm)のアルミホイルで設計して大丈夫そうだね。
ところで、持ち手干渉対策の切れ込み部分は「幅5cm×高さ1.5cm」なのに
・幅は片側3cm
・縦は1.8cm
の処理をしてるかというと、組み立て時に重なり合う部分ができるためだ。
重なり具合と重なった部分の比率で計算できるんだけども、詳しい話をすると数学チックになるから割愛ね。
設計した風防を厚手のアルミホイルで製作
設計した通りにアルミホイルで製作してみよう。
使用するアルミホイルは『LOGOS(ロゴス)』さんのBBQお掃除楽ちんシート(お徳用)。
通常のキッチンに置いてあるアルミホイルよりも厚手で丈夫。
風が吹いても飛んでいったりするのを防いでくれるはず。
厚手のアルミホイルは色々な用途に活用できるから重宝してる。
お皿になったり焼きそばのシートになったりと幅広く活用できるよ。
そんなロゴスさんのアルミホイルを50cmほどでカットして、カッターで42cmほどの長さでカット。
アルミホイルをカッターで切ると刃がダメになるので自己責任でよろしくね。
横幅だけでなく縦幅も10.5cmほどでカット。。。
しようと思ったけども、あまりにも長くカッターでアルミホイルを切るとよろしくないから二つ折りにして10.5cmになるようにする。
強度も出るから二つ折りで正解だったかもしれない。
そういうことにしておこう。
「高さ10.5cm×幅42cm」のアルミホイルのシートが出来てるけども、端は1cmほど折り込む予定で設計してるからほんの少し長いぐらいで大丈夫。
(完成時には高さ8.5cm×幅40cmの予定)
末端も綺麗に処理する必要なし。
だって折り込んじゃうから外から見えないもの。
あとは設計図通りにカットしたり折り込んだりする。
設計図通りだからラクショーだね。
余白部分を折り込んでちゃんと40cmになってるね。
見事に設計通りだ。
ということで展開!!
うん。良い感じじゃないかな?
さっそくチタンアルコールストーブとゴトクとマグカップ300mlをセットしてみよう。
しっかりと風から守ってくれそうだね。
内部のクリアランスも確保されてるから一回り大きい450mlのマグカップでも平気そう。
肝心の持ち手干渉対策もバッチリ機能してる。
全体的に良い感じだね。
ちなみに、重さは「11.8g」
EVERNEW(エバニュー)さんの「Ti フーボー(EBY246)」が17gらしいのでより軽いですね。
すごく軽いしアルミホイルだから丸めてコンパクトにもなる。
携帯もしやすいね。
製作した「アルコールストーブ専用風防」を使ってお湯を沸かしてコーヒーを淹れる
アルミホイルで風防が作れたね。よかったよかった♪
で終わっちゃいかん。
実際に風防としての効果があるかを試してみなけりゃ終われないね。
自分でつけた焼き入れが美しいベルモントさんのチタンマグカップ300mlに7~8割ほど水を注いできた。
アルコールストーブに着火!!
火が付いたら風防を展開してセット。
すべての燃焼穴が火が出て炎になったらゴトクもセット。
ついに載せるぞ!水の入ったマグカップ。
うん。持ち手部分に切り込みを入れてるから置きやすい。
問題なく燃焼してるみたいだけども、無風の室内なんだから当然っちゃ当然。
紙で扇いだり息を吹きかけてみよう。
おぉう。。。
風には強いみたいだね♪
ただ、ちょっと熱暴走気味??
エバニューさんのチタンアルコールストーブ(EBY254)は火力が強いから判断が難しいね。
アルコールが燃焼中に風防に触ると、もちろん熱い。
熱伝導率が良いアルミホイルだから当たり前か。
お湯も沸いた(4分30秒)しコーヒーポットに移してコーヒーを淹れてみよう。
お湯を沸かす目的は多々あれども、私の目的の大半はコーヒーを楽しむためだ。
当たり前だけども、マグカップの持ち手は熱々に仕上がってるから絶対に素手で触っちゃダメだよ。
火傷したい方や特殊な訓練を受けてる方なら話は別だけどね。
珈琲豆を蒸らして~
コーヒーをドリップ!!
淹れ上がったね♪
コーヒーをドリップし終えるころにはマグカップの持ち手も、、、
ギリ持てるぐらい!!
(そこそこ熱い)
コーヒーを注いじゃお。
淹れ上がりは良い感じ。
お味の方も美味しいよ。
使用してる珈琲豆や珈琲器具は普段飲んでるものだから美味しくて当たり前だけどね。
風防もしっかりと機能してるから全くの問題なしだね。
残念なのはチタン製じゃないので美しい焼き色はつかないところ。
「アルコールストーブ専用風防」の収納性やスタッキング
軽くて素晴らしい防風効果のある自作「アルコールストーブ専用風防」だけども、収納性も抜群。
アルミホイルだから丸めてすっぽりとチタンアルコールストーブ(EBY254)に収まる。
厚手のアルミホイルで作ってるから何度も収納・展開しても丈夫で安心感もあるよ。
チタンアルコールストーブ(EBY254)にすっぽりと収まり、300mlのチタンマグカップで蓋できる。
ゴトクは入らないけどね。
チタンアルコールストーブ(EBY254)とマグカップのスタッキング(収納)の場合、多くはナルゲンの60ml容器にアルコール燃料を入れて持ち運ぶ人が多いけども、私はリンデンの100mlパウチ容器に入れてアルコール燃料は持ち運んでるんだよね。
マグカップの中で漏れたりしたら嫌だから別に持ち運びたい。
このあたりは好みの問題だけども、ゴトクやアルコール燃料をマグカップやチタンアルコールストーブにスタッキングして持ち運びたい場合はマグカップの周りに風防を巻き付けて持ち運ぶのもアリ。
この辺りは厚手とはいえペラペラなアルミホイルで形状もある程度変化させられるから融通が利くね。
所有してないから何とも言えないけども、さらに450mlのマグカップをスタッキングできればかなりコンパクトなコーヒーセットになると思うんだよね。
まとめ
厚手のアルミホイルがあれば風から守ってくれる風防は作れます。
しかも、自分の使い易いように設計をすることができるので使い勝手に非常に優れています。
お手軽に安価に作ることができて効果は一級品、その上コンパクトに収納することもできるので持ち運びも楽。
それが厚手のアルミホイルで作る「アルコールストーブ専用風防」です。
アルコールストーブ専用と紹介していますが、固形燃料を使用するポケットストーブなどにも利用できるので汎用性は高いです。
アルコールストーブや固形燃料の場合、どうしても風の影響を受けやすく中々お湯を沸かしたり温めることができません。
そんな時に忍ばせておいた「アルコールストーブ専用風防」をサッと取り出して囲うことで安定した火力を保つことができますよ。
ちなみに、通常のアルミホイルだと強度面で心配がありますが重ねることで十分な強度を保つことができますよ。
それでも手っ取り早いのは厚手のアルミホイルですね。
風防を作る以外にも、キャンプ場でその場でお皿を作ったりもできますしバーベキューの後片付けを楽にしてくれる便利アイテムです。
持っておくと何かと便利ですよ。
それでは本日も素敵なコーヒータイムを。
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