コーヒー豆にポタポタとお湯を注いでゆっくりとドリップする点滴ドリップ。
世界初の円錐型ドリッパー「コーノ式」の公式の淹れ方として紹介されるほか、俳優の藤岡弘さんが点滴ドリップでコーヒーを淹れることは有名ですよね。
そんな点滴ドリップで淹れたコーヒーは実際のところ、通常のペーパードリップコーヒーよりも美味しいのでしょうか?
この記事では点滴ドリップの淹れ方と仕上がりについて紹介しています。
通常のペーパードリップコーヒーとの比較や点滴ドリップを淹れる際のポイントなど
「点滴ドリップに興味あるんだけどやっぱり難しい?」
「どんな人に点滴ドリップは向いてるの?」
「点滴ドリップって手軽に淹れる方法あるの?」
といった疑問に答えていますよ。
点滴ドリップに興味がある方は是非最後まで読み進めてくださいね。
点滴ドリップは淹れ方と仕上がり
点滴ドリップはその呼び名のとおり、ポタポタと1滴ずつ点滴のようにお湯を注いでコーヒーをドリップする淹れ方です。
元々はネル布でコーヒー豆を濾す「ネルドリップコーヒー」を、もっと手軽に淹れられるようにと誕生したのが「コーノ式」で紹介される点滴ドリップなんです。
当時は点滴ドリップとは呼ばれることはなかったですが、コーヒーブームが来てからそう呼ばれはじめたようですね。
そんな点滴ドリップには
・前半のみ点滴で注湯する「コーノ式」
・最初から最後まで点滴で注湯する「藤岡式」
2種類の点滴ドリップがあります。
どちらも”濃いめのコーヒー”に仕上がりますが、
「エスプレッソのような濃いめなコーヒーが苦手。。。」
という方でもペーパードリップのスッキリさは残るので、不思議と飲めちゃいますよ。
コーノ式点滴ドリップ
円錐型のコーノ式ドリッパーを用いた点滴ドリップです。
前半のみ点滴ドリップで、後半は通常のペーパードリップ同様にお湯を注いでいきます。
<コーノ式点滴ドリップの概要>
①ペーパーフィルターにリンス(湯通し)しない
②点滴でコーヒー豆の中心にお湯を垂らす
③コーヒーがドリップされ始めたらコーヒー豆全体にお湯を注いでいく
コーヒーのドリップが始まったら点滴ではなくお湯の量を多く注いでいくのがポイントですね。
この淹れ方で淹れるコーヒーは濃厚でありながらスッキリとした印象のコーヒーに仕上がります。
ドリップ時間こそ長くなるものの必要な珈琲成分がすべて抽出されている感じで、雑味やエグみは一切感じません。
詳しくは河野社長が直々にyoutubeで紹介されているので是非チェックしてみてくださいね。
動画内でケトルの持ち方について紹介していますが、
「ケトルを持つ手側の脇を閉めて、反対側の手を添え支える」
ことで驚くほど簡単に点滴ができますよ。
点滴が難しいと感じたり点滴ドリップは必要ないと思われてる方も、是非お湯の注ぎ方だけは参考にしてみてください。
点滴ドリップに限らずお湯の注ぎが安定しますよ。
藤岡式点滴ドリップ
蒸らしとドリップ含めて最初から最後まで点滴で注ぐ淹れ方です。
俳優の藤岡弘さんがやられる淹れ方ですね。
<藤岡式点滴ドリップの概要>
①ペーパーフィルターにリンス(湯通し)をする
②点滴でコーヒー豆にお湯を注いで待つ(蒸らし20秒)
③どれだけ時間をかけても点滴し続けてコーヒーをドリップする
最初から最後まで点滴で注ぎ続けるので慣れが必要です。
また、お湯を入れたポットを持ち続けるので腕が疲れます。
この淹れ方で淹れるコーヒーは、なんというか独特です。
コーヒーの良い部分も悪い部分も複雑に混じりあっているようです。
一般的には雑味とされるコーヒーの味もドリップされるので、かなり独特な風味に仕上がりますよ。
ここでは点滴ドリップに関するところだけピックアップしていますが、淹れる工程すべてが独特なのが藤岡弘さんの淹れ方です。
お湯の注ぎ方も”ケトルを振りながら1滴ずつ点滴する”のでかなり個性的ですよ。
藤岡さんの息子にコーヒーの淹れ方をYoutubeで伝えているので、点滴ドリップ以外でも着目してみてくださいね。
点滴ドリップと通常ペーパードリップの比較
コーヒー豆とお湯の接してる時間が長くなる点滴ドリップと、蒸らし時間をしっかりと確保してサッとお湯を注ぐ通常のペーパードリップ。
それぞれで淹れたコーヒーを比較してみると
・コーヒーの苦味:点滴ドリップ > 通常ペーパードリップ
・コーヒーの濃さ:点滴ドリップ > 通常ペーパードリップ
・幅広い人に楽しめる:点滴ドリップ < 通常ペーパードリップ
「万人受けしやすくスッキリとした味わいのペーパードリップ」
「濃厚で雑味をもコーヒーのクオリティに組み込む点滴ドリップ」
といった感じですね。
浅煎りコーヒー豆をサッと落とすサードウェーブコーヒーが好みの方には
「なんだか雑っぽいんだけども、、、」
と感じられるのが点滴ドリップコーヒーです。
高品質なコーヒー豆を短時間で仕上げる”回転率重視”のコーヒースタンドは、コーヒーが苦手な人にも受け入れられやすいのは間違いありません。
それでも、ビターな大人風味のコーヒーが楽しめる点滴ドリップこそ日本の喫茶店文化を色濃く受け継いでいると言えます。
使用する道具はどちらも同じで新しく道具を買い足す必要はありません。
淹れ方ひとつで淹れ分けられるのも魅力ですね。
時間をかけてゆっくりとポタポタとコーヒー豆にお湯を注ぐ点滴ドリップはそれだけで美味しく感じるものですよ。
点滴ドリップを簡単にする道具3選
昔ながらの喫茶店の味を楽しめる点滴ドリップですが、初めはポタポタとお湯を垂らす”慣れ”が必要です。
そんな慣れが必要な点滴ドリップを簡単に可能にさせてしまう便利な道具を3つ紹介します。
ケトルを持つ手の脇を閉めて反対側の手を添えて支えることで点滴することができますが、これらの道具のいずれかを使用することでもっと簡単に誰でも点滴ドリップができるようになりますよ。
急須スキッター
お茶を入れる急須の注ぎ口に差し込むものですが、コーヒーを淹れるケトルの注ぎ口にも差し込めます。
価格も安価で手に入れやすく、新しくケトルを買い足す必要がないのが何よりの利点です。
お手持ちのケトルで簡単に点滴ドリップができますよ。
細口加工ケトル
ペリカン口とも呼ばれる注ぎ口が細くなっているケトル。
点滴はもちろん細くも太くもお湯が注げます。
点滴でコーヒー豆を蒸らして一気に太く注いで高速ドリップするなど、お湯の注ぎ方の自由度が高くコーヒーの幅を広げてくれる万能選手。
伝説の喫茶店「大坊珈琲」ではケトルの先端を潰して細いお湯が注げるように加工されていました。
広口加工ケトル
点滴でお湯を垂らすことに特化した加工になっています。
ステンレス製コーヒーケトル「ユキワ M-5」の注ぎ口を加工したもので、舌を出したように注ぐ口が広くカーブしているのが特徴です。
大きめの粒で点滴できて抜群に点滴ドリップしやすいです。
その代わり職人さんが一つずつ加工を施しているため、流通数が少ないので入手困難です。
見かけたら是非チェックしてみてくださいね。
点滴ドリップは心の底からコーヒーを楽しめる
ポタポタを湯を注ぐのが難しいと思われがちな点滴ドリップですが、ケトルの持ち手を固定することで簡単に1滴ずつお湯を注ぐことができます。
より簡単にお湯を注げる道具もあると、誰でも確実に点滴ドリップでコーヒーが淹れられますよ。
点滴ドリップは昔ながらの喫茶店の味を再現できる淹れ方です。
コーヒー豆の持つあらゆる要素が凝縮されるので好みの分かれる仕上がりになるのは間違いありません。
コーヒーを心の底から楽しむ人向けの淹れ方と言えますね。
それでは本日も素敵なコーヒータイムを。
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