家庭で手軽に本格的なコーヒーを楽しめる「ペーパードリップコーヒー」に必要不可欠なペーパーフィルターには、紙の原材料である木の色や匂いのある「みさらしペーパー」と白く漂白された「漂白ペーパー」があります。
コーヒー本来の風味を楽しみたいなら「漂白ペーパー」を使うのが鉄則です。
「D’s CAFE Style」のonoDです。
この記事では各社から出ていて様々な種類のあるペーパーフィルターの違いについて紹介しています。
ペーパーフィルターだけでなくステンレスフィルターとの違いについても紹介しているので、コーヒーフィルター選びに迷っている方はこのまま読み進めてくださいね。
ちなみに、竹の繊維を混ぜた「BLUE BOTTLE COFFEE(ブルーボトルコーヒー)」さんオリジナルのフィルターは木の色が残っていますが湯通しせずともスッキリとしたコーヒーがドリップ出来ますよ。
波打った独特な形状をしているペーパーフィルターで相性の良いドリッパーは限られますが、
「カリタウェーブ専用のウェーブフィルターの紙の匂いがとにかくキツイ!!」
と感じている方は今すぐブルーボトルコーヒーさんのオリジナルペーパーフィルターを使ってみてくださいね。
同じウェーブタイプのペーパーフィルターでも驚くほどコーヒーの風味が引き立ちますよ。
ペーパーフィルターの違いは木材パルプの香りと風味があるかないかの違い
コーヒーのペーパーフィルターには原材料の色や香りが残った茶色い「みさらしペーパー(無漂白ペーパー)」と白い「漂白ペーパー」がある。
コーヒー本来のアロマ(香り)や風味を最大限に楽しむのであれば「漂白ペーパー」だよ。
一般的なペーパーフィルターは「紙」で出来てる。
ペーパーっていうぐらいだし何を今さらって感じだね。
そんな紙の主な原材料となっているのが木材パルプ。
木材パルプは名の通り木材から作られてるんだ。
だからこそ漂白されてない「みさらしペーパー」が茶色がかった「木の色や香り」(リグニンっていう)が残っているのも納得だよね。
木の色や香りが残っている「みさらしペーパー」を漂白してリグニンを抜いたのが「漂白ペーパー」なのさ。
「みさらしペーパー」でも「漂白ペーパー」でもコーヒーは楽しめるけども、
”コーヒー本来の香りや風味をより楽しみたい”
なら「漂白ペーパー」の方がオススメだね。
漂白って聞くとなんだか塩素を使った「危ない薬品」を使って漂白してそうだけども、ペーパーフィルターの漂白には塩素を使用しない「酸素漂白」を行ってるから人体への害はないよ。
みさらしペーパーも大量の水を使ってリグニンを落としてるけども落としきれてないから茶色で木の香りが残ってるんだよね。
ちなみに、ペーパーフィルターでコーヒーをドリップするときはペーパーを立体的に折り曲げるけど、紙を立体的にするためには必ず接着面がある。
接着面にも接着剤は使わないで機械で強力な圧力をかけているものか、接着剤を使用していたとしても人体に無害なものだから安心だよ。
人体に無害なものだからどんなペーパーフィルターを使用しても良いんだけども、個人的に珈琲器具メーカーの老舗「Kalita(カリタ)」さんのウェーブフィルターを使用する場合は要注意だ。
そのままコーヒーをドリップするとすこぶる紙臭いぞ。
白いペーパーフィルターだから漂白されていて木の香りや風味が抑えられてるかと思いきや、そうでもないのがウェーブフィルターに限らずカリタさんのペーパーフィルターなのさ。
びっくりするぐらいコーヒーの風味を邪魔するよ。
それでも我が家でペーパードリップコーヒーを楽しむときはカリタウェーブでウェーブフィルターを使用することが一番多かったりする。
カリタウェーブの見た目が美しくてコーヒーを淹れてて気分が良いんだよね。
紙臭さも「リンス(湯通し)」すれば気にならないぐらいになるよ。
ペーパーフィルターの違いは木材パルプか非木材パルプかの違い
「ペーパーフィルターは紙で出来てて紙の原材料は木材パルプ」
って前項で述べたけど「非木材パルプ」ってのもある。
非木材パルプでできたペーパーフィルターってのもあるから、茶色っぽい色が残っているからといって必ずしも木の香りや風味があるかというとそうでもない。
一般的にスーパーなどで購入できて広く流通しているペーパーフィルターは広葉樹や針葉樹を原材料とした「木材パルプ」が用いられたものだよ。
手に入りやすいけども茶色っぽくて木の香りがする(みさらしペーパーの場合)。
一方で竹や麻、コットンなどが原材料の「非木材パルプ」で作られたペーパーフィルターは木の香りがほとんどしない。
非木材パルプで作られたペーパーフィルターでコーヒーをドリップすると、コーヒー本来の香りと風味を存分に楽しむことができるからおススメだよ。
(余談だけど100%非木材パルプのペーパーフィルターはなくて、竹や麻の繊維が混ぜているのが一般的)
木材パルプのペーパーフィルターでも「リンス(湯通し)」をする事で木の香りや風味をおさえることもできるけど、リンスをするとスッキリとした”鋭いコーヒー”に仕上がりやすいよ。
木の香りや風味の少ない非木材パルプのペーパーフィルターでも、リンスする・しないでコーヒーの仕上がりは変わるから試してみると面白いよ。
ペーパーフィルターの違いはコーヒーの仕上がりに大きく影響する
ペーパーフィルターの違いは
「木材パルプ」と「非木材パルプ」
「みさらしペーパー」と「漂白ペーパー」
で、それぞれのペーパーフィルターでコーヒーの仕上がりは大きく変わる。
大きく変わるのが「風味」と「湯通り」だね。
風味については「木材パルプ」の「みさらしペーパー」でコーヒーをドリップすると、コーヒーの香りや風味に”紙っぽさ”がモロに混じるからわかりやすいよね。
もう一方の湯通りってのはペーパーフィルターのお湯(コーヒー)の通りやすさのこと。
ペーパーフィルターの材質が変われば繊維の目の細かさも変わる。
すると当然ながらコーヒーをドリップするスピードが変わるよね。
繊維が細い・太い、長い・短いなどによっても違いが出てくるしどれぐらいの密度でペーパーフィルターを製造してるかによっても違いは出るけど、ドリップスピードはお湯を注ぐ技術があればコントロールできる。
単純に木の風味(紙っぽさ)がある・ないで判断するだけでコーヒーの楽しみ方がグッと変わるよ。
さらに細かいところまで見ていくと「ペーパーフィルターの表面加工」にも違いがあったりする。
見た目にはわかりにくいけど「HARIO(ハリオ)」さんのペーパーフィルターの内側と外側を触ってみると、内側はツルツル外側はゴツゴツといった触り心地になってる。
ゴツゴツさせる表面加工を「エンボス加工(クレープ加工)」といって「CAFEC(カフェック)」さんのアバカフィルターは内側までゴツゴツのエンボス加工になってる。
内側もエンボス加工が施されているとドリップ速度は速くなるよ。
(珈琲豆の接する表面積が増えて微粉による目詰まりを軽減するため)
ドリップ速度が変わるから当然コーヒーの仕上がりも変わって、ドリップ速度が速いほどスッキリ目のコーヒーに仕上がりやすいよ。
最近は様々なメーカーさんから豊富なペーパーフィルターが発売されてるけど、
「湯通りが良いからこのペーパーは良い」
「湯通りが悪いからこのペーパーは悪い」
ということではないよ。
好みだったりシチュエーションで最適解は毎回異なるからね。
我が家では基本的に
1人分のコーヒードリップ:CAFECアバカフィルター(リンスなし)
複数人分のコーヒードリップ:Kalitaウェーブフィルター(リンスあり)
って感じで使い分けてるよ。
コーヒーの風味や香りを楽しみたいから紙臭いペーパーフィルター(ウェーブフィルター)はリンスをしてその他はリンスなしでドリップしてる。
ウェーブフィルターは例外だけども「漂白ペーパー」はリンスなしでも個人的には紙臭さは気にならない。
迷ったらとりあえず「漂白ペーパー」を選んでおけば間違いないね。
各社ペーパーフィルターの特徴早見表
使ったことのあるペーパーフィルターの特徴を表にまとめてみた。
ペーパーフィルターの繊維の密度が大きいとキメ細かくコーヒーのドリップされる速度が遅くなるよ。
一方で密度が小さいとペーパーフィルターの繊維がスカスカなのでドリップスピードは速くなる。
密度が小さい(キメが粗い)ものほどドリップスピードは速くなってコーヒーの良いところも悪いところもドリップされやすくなる。
一方で、密度の大きい(キメが細かい)メリタさんのペーパーフィルターはドリップスピードが遅いよ。
密度に小さいとコーヒーのコク・油分もドリップされやすくなるけど、雑味やエグみも一緒にドリップされやすくなるんだよね。
要するにバランスが大事ってことなんだけども、これはあくまでペーパーフィルターだけを考えた場合の特徴だね。
メーカー | 商品名 | 形状 | 素材 | 密度 | 抽出速度 | コク・油分 | 雑味・エグみ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
HARIO | V60 COFFEE PAPER FILTER | 円錐 | パルプ100% | 小さい | 速い | 抽出されやすい | 抽出されやすい |
KONO | コーノ円すいペーパー | 円錐 | バージンパルプ | 小さい | 速い | 抽出されやすい | 抽出されやすいい |
CAFEC | アバカ 円すい コーヒーフィルター | 円錐 | アバカ | やや小さい | やや速い | 抽出されやすい | 抽出されやすい |
Kalita | 珈琲屋さんのコーヒーフィルター | 扇形 | 針葉樹パルプ100% | やや大きい | やや遅い | 抽出されにくい | 抽出されにくい |
Kalita | WAVE FILTER | ウェーブ | 針葉樹パルプ100% | やや大きい | やや遅い | 抽出されにくい | 抽出されにくい |
Melitta | エコブラウン | 扇形 | 紙パルプ | 大きい | 遅い | 抽出されにくい | 抽出されにくい |
Melitta | アロマジック ナチュラルホワイト | 扇形 | 紙パルプ | 大きい | 遅い | 抽出されにくい | 抽出されにくい |
実際にコーヒーを淹れるときはドリッパーとセットで使用するから、ドリッパーと合わせた時のバランスで考える必要がある。
上の表はあくまでペーパーフィルター単体としてみた時だから参考程度だね。
ちなみに、ここではあえて紙の匂いについては触れてないし挙げてもないけど、無漂白の「みさらしペーパー」はいずれもリグニン(紙臭さ)を感じるよ。
また、カリタさんのペーパーフィルターはウェーブフィルターに限らず紙臭い。
リンス(湯通し)をすれば改善できるけども、リンスをするとコク・油分がドリップされにくくなるから注意してね。
コーヒー初心者におすすめなのは「Melitta(メリタ)」
布で珈琲豆を濾してドリップするネルドリップが一般的だったころ、ペーパードリップコーヒーを世の中に出したMelitta(メリタ)さん。
公式のブランドストーリーにも挙げられてるけど
~最愛の夫にもっとおいしいコーヒーを~
この一言にすべてが集約されてるよね。
「コーヒー初心者はメリタから!」
ってよく言われるけど、私自身も初めてコーヒーをハンドドリップしたのはメリタさんのドリッパー。
メリタさんのドリッパーは1つ穴であることが有名だけども、ペーパーフィルターにも着目して欲しい。
メリタさんのドリッパーとペーパーフィルターでコーヒーをドリップすると、ドリップスピードがゆっくりになる。
コレ、繊細なお湯コントロール技術がなくとも安定してコーヒーがドリップできるってことなんだよ。
結構雑にお湯を注いじゃってもペーパーフィルターとドリッパーが良い具合にコーヒーのドリップをコントロールしてくれるから、誰が淹れても美味しいコーヒーに仕上がるよ。
最近では各社から新しく非木材パルプのペーパーフィルターやドリッパーが出ているけど、全体的に”ドリップスピードがゆっくりになる”傾向が強いよ。
昨今のコーヒーブームで初心者でも美味しいコーヒーがドリップしやすいように配慮してるんだろうね。
そういう意味でも”ペーパードリップの元祖”であるドイツのメリタさんが
・1つ穴ドリッパーで
・ドリップスピードがゆっくりなペーパーフィルター
を製造し続けているところに心にグッとくるよね。
高速ドリッパーがうんたらかんたらいってたけどなんだかんだ業界的に原点回帰してきてると思うんだよね。
そんな私がペーパードリップをする時に一番よく使っているのはカリタウェーブ。
銅製のドリッパーが目を惹いてついつい使いたくなっちゃうんだよね。
カリタさんのペーパーフィルターは紙臭いけどもリンスをすれば気にならないし、それらを含めてどうやって美味しいコーヒーに仕上げるかは腕の見せ所だよ。
ペーパーフィルターについてあれこれ書いたけども、結局のところ使いたいものを使うのが一番良い。
使ってるうちに自分なりの美味しいコーヒーの淹れ方が確立されていくしね。
ただ、それでもやっぱり白い「漂白ペーパー」を使用した方がコーヒー本来のアロマや風味をしっかりと感じられるよ。
それでは本日も素敵なコーヒータイムを。
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