極細挽きの珈琲粉でペーパードリップするとドリップに時間がかかる。
「D’s CAFE Style」のonoDです。
イスタンブールのお土産でいただいたターキッシュコーヒーですが、煮出しコーヒーではあるものの珈琲粉の個性が強すぎてあまり伝統的な味は感じられませんでした。
日本とトルコでは”伝統的な味”に相違があるだけなのかもしれませんが。。。
詳しくはターキッシュコーヒーを初めて飲んで納得できなかった記事を参考にしていただければと思います。
さて、今回はそんなターキッシュコーヒー「SELAMLIQUE(セラムリク) TRADITIONAL」をなんと、、、
「ペーパードリップ」しちゃいます。
煮出して抽出するのが基本のターキッシュコーヒーですが、ペーパードリップするのもアリなんです。
抽出方法を除けば”極細挽きの珈琲豆”であることには変わりありませんからね。
ただし、極細挽きの珈琲豆でペーパードリップするなら”それなりのリスク”があるので紹介していきますね。
シナモン感の強いフレーバーコーヒーSELAMLIQUE(セラムリク)「TRADITIONAL」
使用する珈琲豆(ターキッシュコーヒー)は
『SELAMLIQUE(セラムリク)』
「TRADITIONAL(伝統的)」
ミディアムロースト(中煎り)
です。
元々の珈琲豆は
「ブラジル(ミナスジェライス港)」
ですが、焙煎時に香りづけられた「フレーバーコーヒー」のようです。
「シナモンのような」どころか「シナモンそのまま」といった感じで、コーヒー感はほとんど感じることができません。
「シナモンの香りとシナモンの味のするコーヒー」
挽かれた珈琲粉もシナモンのような色味を持っているので、これはシナモンの粉末なのではないか?と錯覚するほどです。
本来の煮出して抽出して濾すことなくカップに注ぐ「ターキッシュコーヒーの淹れ方」だと、思ったよりは気にはならないとはいえ口の中に残るような”微粉感”があります。
また、鍋などの器具の後片付けが面倒です。
<手鍋に残った微粉>
微粉がかなり残りますしコーヒーオイルもそのままなので、しっかりと洗わないとこびりついてしまいます。
そこで、コーヒーを抽出したペーパーフィルターは捨てるだけで気軽にコーヒーを楽しめる「ペーパードリップ」で抽出していきます。
本来のターキッシュコーヒーとしての感想は、ターキッシュコーヒーを初めて飲んで納得できなかった記事を参考にしていただければと思います。
ターキッシュコーヒーをペーパードリップするレシピと事前準備
極細挽きのターキッシュコーヒーをペーパードリップするレシピは、以下の通りです。
挽き目 :極細挽き
珈琲豆 :12g
お湯温度:84度
抽出時間:5分(蒸らし時間30秒含む)
抽出量 :約80cc
あくまで抽出前に決めておく”予定”なので、実際に抽出してみるとこの通りにはいかないかもしれません。
特に、挽き目が「極細挽き」であるため、ペーパーフィルターが目詰まりを起こすことが予想されます。
すると極端に抽出スピードは遅くなるので「抽出時間」と「抽出量」の目途は立っていません。
かなりゆっくり抽出に設定にしていますが、実際に抽出するともっと遅いかもしれません。
お湯温度は「84度」と低めの設定にしているのも抽出スピードに関係していて、高いお湯で時間をかけ過ぎて抽出すると”雑味”や”エグみ”が多分に抽出される恐れがあります。
コーヒーは細く挽けば挽くほど抽出スピードはゆっくりになりますので、過抽出にならないようにお湯温度は低めに知っていしておいたほうが無難ですよね。
実際のドリップは次項で行っていきますが、事前準備を済ませちゃいましょう。
まずは珈琲豆(粉)の計量です。
普段ペーパードリップで、中挽きの珈琲豆12gから150ccのコーヒーを抽出しているので、今回使用するターキッシュコーヒーでも「12g」使用します。
ペーパードリップに使用する「コーヒードリッパー」には、日本を代表する珈琲器具メーカーの老舗『Kalita(カリタ)』さんの「WDC-155」を用います。
私の一番のお気に入りのコーヒードリッパーで、洗練されたデザインと銅の輝きが美しいですね。
コーヒードリッパーは自分が気に入っているものを使用するのが一番ですよね。
とはいえもちろん、ターキッシュコーヒーでカリタウェーブを用いる理由もありますよ。
極細挽きの珈琲豆(粉)ではペーパーフィルターが目詰まりを起こす可能性が大です。
そのため、底がフラットな形状で3つの抽出穴を持つ「カリタウェーブ」は、目詰まりを起こしてもなんとか抽出できるかな?という予想です。
ただし、カリタさんのペーパーフィルターは紙の匂いが強いです。
コーヒーを抽出した際に紙匂いが混じり、誰が飲んでも明らかなレベルで違いが出ます。
カリタウェーブ専用ペーパーフィルター「ウェーブフィルター」に事前にしっかりとリンス(湯通し)をしておきます。
これは好みの問題ですが、私は紙の匂いが混じったコーヒーは苦手なんですよね。
リンスをすることで紙の匂いが落とせるのと同時に、ペーパーフィルターにお湯が通る事で目詰まりを軽減できたらいいなぁ。という願望もあります。
リンスをして紙の匂いの混じったお湯はコーヒーサーバーへ落ちていますが、コーヒーカップに注いでカップを温めておきます。
<用意した小ぶりなコーヒーカップ>
120ccほどまでした入らない小ぶりなカップですので、リンスに使用したお湯でほぼほぼ一杯ですね。
コーヒー抽出時も、おそらく時間をかけてもあまり多くのコーヒーは抽出できないと予想されますので、小さめのデミタスカップなどでも十分です。
リンスをしたウェーブフィルターに計量していおいたターキッシュコーヒーをセットするのですが、極細挽きの珈琲豆(粉)はダマになります。
珈琲豆(粉)がダマになっていると抽出にムラができてしまうので、コーヒードリッパーを揺すってある程度崩します。
どうやら揺すった程度では崩れないようですね。。。
珈琲豆(粉)が細すぎて完全にダマを崩すことは難しそうです。
スプーンなどで軽くつつけば崩せそうですが、蒸らしのお湯を注いだ際にスプーンで攪拌(かき混ぜ)して全体にお湯が浸透するようにしちゃいましょう。
実際にターキッシュコーヒーをペーパードリップしてみる
コーヒーを抽出する準備は完了していて、あとはお湯温度が「84度」になるまで待ちます。
どうやら準備をしている間にちょうどいい感じに下がっていたようですね。
まずは蒸らしを行うためにお湯を20gほど注ぎます。
案の定珈琲豆(粉)が細かすぎてお湯が馴染まないです。
ダマも残っているので、スプーンで攪拌(かき混ぜ)して馴染ませます。
スプーンを底の方からすくい上げるとシャリッと乾いた感じで、お湯が全く浸透していないことがわかります。
とにかく全体にお湯をし見渡せられるように底の方からかき混ぜていきます。
いちおう蒸らしのために30秒ほど時間をおきます。
膨らんだりはしませんが香りは立っていますね。
やっぱりコーヒーというよりも「シナモンの香り」です。
ココから本格的なコーヒーの抽出開始です!
ちなみに、蒸らしのために20gほどのお湯を注ぎましたが、
全くドリップされていません。
ここにお湯を追加で注いでいきます。
とりあえず60gほどのお湯を注いでドリップの様子を確認してみると、、、
少しずつドリップされ始めましたね。
それでもかなりゆっくりなスピードです。
もう少しお湯を勢いよく注いでみましょう。
これは、、、
ドリップされるスピードがゆっくり過ぎて、ドリッパー内がお湯でいっぱいになりそうです。
とりあえず合計90gになるまでお湯を注ぎました。
抽出がゆっくり過ぎて、すでに「3分」ほど経過しています。
どれぐらいゆっくりなのか、動画で撮影してみましたので是非確認してみてください。
近くで工事をしているので雑音が結構入っていますがご容赦下さい。
コーヒードリッパーの中はお湯で満ちているのに、ドリップはポタポタでなおかつ1つの穴からしかドリップされていませんよね。
とにかくドリップが遅いです。
おそらく珈琲豆(粉)が細かすぎてペーパーの目詰まりを起こしているんでしょうね。
仕方ないので、お湯を注いでドリップされるのを待つこととします。
抽出開始から5分を経過したところで「153g」のお湯を注いで待つことにします。
いやはやドリップに時間がかかりますね。
すでに「5分以上」ドリップに時間がかかっているわけですが、通常のペーパードリップコーヒーで5分も時間をかけてしまうと過抽出で雑味やエグみまで抽出されてしまいます。
ポタポタとお湯を垂らしてじっくりとお湯と珈琲豆を馴染ませる「点滴ドリップ」ならば5分かかっても問題ないですが、通常の蒸らしの工程を踏むペーパードリップでこの抽出時間は”異常”ともいえます。
抽出開始から7分30秒をまわったところで、一つの決意をします。
「もういいや!!」
カリタウェーブを外して抽出完了です。
カリタウェーブの中にはまだたっぷりお湯が残っていますね。
だいたい80ccだと思いますので十分でしょう。
ドリップされたコーヒー液は大分明るい色をしているようですね。
カリタウェーブの上にかざしてみるとよくわかりますね。
煮出して抽出して濾すことなくカップに注ぐ「ターキッシュコーヒー本来の淹れ方」では微粉で濁ったような液体をしていましたが、こちらはかなり澄んだ色をしているようです。
カップに注ぐと”透明感”がより一層際立ちますね。
7分以上もの時間をかけて80ccほどしか抽出できていませんが、かなり透明感のあるコーヒー液です。
焙煎度はミディアムロースト(中煎り程度)ということらしいですが浅めの焙煎度なのかもしれないですね。
ちなみに、カリタウェーブを外してからカップに注いでおいたお湯を捨ててコーヒーをカップに注いでも、カリタウェーブ内はたっぷりお湯が残っています。
こちらはおいておいて、抽出したコーヒーを楽しんでいきましょう。
抽出時間が極めて長くなるが濃厚でスッキリとした味わいを楽しめる
極細挽きのターキッシュコーヒーをペーパードリップすると、ドリップにかなり時間がかかりますが見た目は美味しそうなコーヒーですね。
コーヒーの色はやや明るい印象はあるものの、浅煎りコーヒーといった感じですね。
ただ、漂う香りは「シナモン」そのものなんですよね。。。
元々のブラジル珈琲豆は「オーソドックスなコーヒー」であるはずなのですが「フレーバーコーヒー」になることでここまで変わるものなのですね。
個人的には「普通のブラジルコーヒー」で良いような気もしなくもないですが。。。
さて、一口飲んでみましょう。
う~~~ん。。。
煮出して抽出して濾さないままカップに注ぐ「ターキッシュコーヒーの淹れ方」で試した時よりも、より一層「シナモン感」が増していますね。
もうこれは「シナモン」でいいです。
ですが驚いたことに、7分以上も抽出に時間がかけた割には雑味やエグみの類は感じられませんでした。
ペーパードリップ特有の「スッキリとしたコーヒー」を楽しむことができます。
極細挽きの珈琲豆(粉)を使用しているため濃厚さもあります。
「スッキリとしつつも濃厚なコーヒー」
点滴ドリップで抽出したようなコーヒーな気がしますね。
ターキッシュコーヒーをペーパードリップするのは個人的に全然”アリ”です。
私はコーヒードリッパーを使用して”淹れる過程”を含めてコーヒーを楽しみたいんですよね。
その代わり、挽き目がかなり細いのでペーパーが目詰まりを起こして抽出時間が極めて長くなるというデメリットもあります。
忙しい時などにはまったく向かないですね。
ちなみに余談ですが、別日に点滴ドリップ感覚でターキッシュコーヒーにお湯を注いで撮影してみると
なかなかに面白い写真を撮影できますので、インスタ映えなどを意識されている方にはオススメかもしれませんね。
(色合いはちょっとアレかも。。。)
しかしまぁ、、、
なんとも判断に困る1杯ですが、ふと思いついたので次項でちょっとした実験をしてみます。
アイスにかけたりするとシロップ感覚でとっても美味しい!!
思いついたことというのは、
「スッキリしつつも濃厚なコーヒー」
なので
エスプレッソをアイスなどにかけて楽しむ
「アフォガード」
感覚で楽しんだら美味しいんじゃないかな?
という小学生みたいな発想です。
自宅にあった「LOTTE 爽(バニラ味)」にかけてみましょう。
まずは「爽」の真ん中をひとすくいしてスペースを作ります。
すくった爽はそのまま食べちゃいます。
・・・美味しい。
空いたスペースにスプーンですくった「ペーパードリップで抽出したターキッシュコーヒー」を流し込んで、一緒に「爽」もすくいます。
コーヒーと爽を一緒に味わってみると、、、
・・・さらに美味しい!!
これは良いですね!
シャリシャリした触感を持つラクトアイスに、シナモンソースをかけたような味わいで非常に美味しいです。
もうドバっと全部かけちゃいましょう。
カップからちょっとずつ注ぐとこぼす可能性があるので、一度コーヒーサーバーへ戻してちょっとずつ注いでいきます。
良いですね。
これならこぼす心配もなくアイスにコーヒーをかけることができます。
むしろ、判断に困っていた「ターキッシュコーヒー」の正しい使い方な気がしてならないです。
アフォガードとしてターキッシュコーヒー(フレーバーコーヒー)を楽しんでいると、衝撃が走りました。
・・・あれ?アイスに欠けた方がコーヒー感がある。。。
ターキッシュコーヒーの淹れ方をしても、ペーパードリップしてみても、香りも味も「シナモン」だったSELAMLIQUE(セラムリク)「TRADITIONAL」ですが、アイスにかけて一緒に味わっているとコーヒーらしさを感じることができます。
普通に考えるとコーヒー感はなくなるはずなんですけどね。。。
なぜかはわかりませんが、私の舌には単体で味わうよりもずっとコーヒーらしく感じられます。
やはりSELAMLIQUE(セラムリク)「TRADITIONAL」は「アフォガード」として扱うのが正解な気がしてなりませんね。
こちらの「ターキッシュコーヒー」を送ってくださった
世界中を旅しながら一歩先を行く旅を提案する『Voyage Avancé』を運営する
「プリドー安斎亮介」さん。
重ねて感謝を申し上げるとともに、やっと使い道見つかりました。
コーヒーの楽しみ方は人それぞれなので「これが正解!」というものはありませんが、自分自身にとっての「正解」を探していくのが「コーヒーの世界」の面白さでもありますよね。
それでは本日も素敵なコーヒータイムを。
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